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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

新緑の美女平~遊歩道の自然~

2011年06月06日
立山
こんにちは。

こちら立山町も夏の日差しが着々と近づいており、
日中は、汗ばむ陽気です。

室堂(2450m)では、まだ雪景色を楽しむことができますが、
標高1000m付近の美女平では、遊歩道の雪もほとんど消え、
青々と新緑が美しい季節を迎えております。


* 鍬崎山より立山連峰、室堂、弥陀ヶ原を一望 2011.06.04 *

    ●○●

本日は、先日6月3日に吉井ARと美女平の遊歩道の巡視に
行ってきましたので、
そのときの様子をお伝えいたします!

    ●○●

ここ、美女平では、ブナとタテヤマスギの原生林を楽しむことができます。
遊歩道の入り口は美女平駅を降りて右手奥にあり、大きな案内板が目印です。




遊歩道上は、雪はほぼ融け
また、ウッドチップが敷き詰められている箇所があり、
歩きやすかったのですが、
まだ、雪が残っていたり、
倒木があったりと少し歩きにくい箇所がありました。





雪の影響で、撓った灌木も見受けられます。

・・・厳しい冬に耐え、春が来て雪解けの季節となり、
こうやって美しい新緑の季節がやって来る・・・

このような「森の軌跡」を想像するのも散策の楽しみの一つです。




    ●○●


* 新緑のブナ *


この時期のおすすめは、やはりブナの新緑でしょうか。
新しい葉は、薄く柔らかいため光を通し、森の中も明るいです。


* ブナの木の葉 *

他の木々も気持ちよさそうに初夏の日差しを浴びております。


* トチノキの葉 *


* ホオノキの葉 *


さて、トチノキとホオノキの見分けはつきますでしょうか。
葉のふちの形状に注目してみてください。
滑らかな方がホオノキです。

    ●○●

おっと。。
上ばかり見ておりますと、
うっかり見落としてしまいます。

可憐でかわいい草本類もたくさんみられるようになりました。


* イワカガミ *


* イワウチワ *


    ●○●


美女平、もう一人の主役、、、








そうタテヤマスギです。

雪深い、この地域に生息するタテヤマスギは、
雪に耐えるために、通常の杉よりも葉の形状が内側にカールしており
雪が積もりにくくなっているとのこと。
さわってもチクチクしません。

また、タテヤマスギには、樹幹の一部を大きく切り取り、
木材に利用していたという歴史的経緯があるそうで、
その爪痕で、不思議な樹形をしているものが多数みられます。
それらは、「剥ぎ取り木」というそうです。

大胆に切り取られたにもかかわらず、堂々と育っている姿は
自然の逞しさを感じさせます。





    ●○●

今回は、美女平の魅力のほんの一部を紹介させていただきました。
自然の中では、いろんな発見があると思います。
これからの季節、絶好の森林浴シーズンですし、
是非足を運ばれてみてください!


* タテヤマスギの樹洞より *