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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

乗鞍岳の春山バス②【動植物保護対策】

2011年05月13日
松本
前回の記事に引き続き、春山バス第2弾です。

動植物保護対策のため、林野庁(森林管理署)・松本市と合同で再び現地へ。
利用実態の把握も兼ねるため、人出の多いGW中の5月3日に実施しました。

朝8:05乗鞍高原観光センター発の第1便は4台のバスが連なりました。
雪壁の間をぬって終点の位ヶ原山荘に到着した時の様子です。

人・バス・人。
スキー、ボード、登山。それぞれのスタイルで準備にかかります。
山での注意事項や地図を掲載したチラシを配布していますので
必ずご覧ください。
登山届の提出もお忘れなく。


黙々と上を目指す人の列。
正面が乗鞍岳の最高峰「剣ヶ峰」。
てっぺんまで登るより、途中から滑走する人の方が多いようです。

まだまだ深い雪に覆われていますが、場所によってはハイマツなどの植物が現れ始めています。そこで、今回このような看板を作成しました。

雪から出た植物を踏み付けると傷めてしまいます。
また、ライチョウの生活の場であり、これからが繁殖上大切な時期です。
我々人間も植物の近くで休憩したくなる気持ちは同じですが、
このような事情があることをご理解いただければと思います。

この日は看板と工具類をかついで登り、現場で設置作業。

壁面を雪から掘り出し、釘で打ちつけたり、両面テープで貼り付けたり、ひもでくくりつけたり・・・設置場所によって方法は臨機応変に対応できるよう、道具はいろいろ準備しておきました。

看板は印刷した紙にラミネート加工を施し、全部で約40枚作成。
春山バス利用者の目につきやすい各所に掲示しています。
山小屋や休憩所など各施設の所有者やバス会社にもご協力いただきました。

この日は、午前中は晴れてシャツ一枚でも汗ばむ陽気でしたが、
午後から一気に空気が入れ換わり、雪がちらつきました。
方向を見失い雪崩の危険がある斜面へ向かっていた人の誘導も行いました。
春山と言えど、山上は厳しい雪の世界です。
くれぐれもお気を付けてお出かけください。