アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
準備万端!?冬支度
2010年12月02日
万座
こんにちは、万座自然保護官事務所の小林です。
このところ、吹く風も冷たく、もう冬がすぐそこまで来ていますね。ここ2~3週間の内に万座管内では降雪の情報をチラホラと聞くことができました。ただ、今年は暑い夏でしたし、紅葉もいくらか遅れ気味だったので、私は冬の準備が万全でありませんでした。今、焦りながら冬支度を行っているところです。皆さんは、是非、余裕を持って冬の準備を行ってくださいね♪
さて、その冬支度、必要なのは私たち人間ばかりではないんですねー。そう、動植物などの生きものも、これからやってくる冬に向けて準備を着々と整えているんですよ!
皆さんは、生きものの越冬というと、どんな事を思い浮かべられますか?多くの方は、“冬眠”を思い浮かべたのではないでしょうか。ちなみに皆さん、「冬眠」とはどのような状態の事であるかご存じですか?・・・その通り、読んで字の如く、「冬に眠る」事です。一言で言ってしまえばその通りですが、もう少し詳しくお話しさせていただくと、【①冬に食べ物がない②自分自身で体温調節ができない③体温を保つためのエネルギーを保持できない】と言った理由により冬の間の活動を冬眠により一旦停止しているのです。
①は冬眠するほとんどの生きものに該当します。②は変温動物(周囲の気温により体温が変わる動物)が該当し、具体的にはヘビやカエルが挙げられます。③は主に小型の恒温動物(自分で体温保持ができる動物)のが該当し、具体的にはリスやヤマネが挙げられます。
ところで、皆さんは寒くなるとどんな工夫をしていますか?きっと、暖かな服を着られるとおもいます。では、野生の生きものはどうでしょう。野生の生きものが服を着る事は先ずありません。例えば、恒温動物は洋服代わりの脂肪を蓄えたり、熱エネルギーの消費を最小限にするため体温を0~5度くらいに下げ冬眠を行います。また、外気温の影響を受ける変温動物は気温の低下と共に活動するための熱エネルギーも低くなるため冬の間は枯れ葉や土の中などなるべく暖かな場所で冬眠を行います。
このように様々な工夫を行う事により、冬眠の間凍死することを防ぎ、冬の厳しい寒さを乗り越えていくのです。しかしそこは、自然界。やはり厳しい現実もあり、冬眠前の脂肪の付きが不十分であったり、冬眠場所が良くなかったりして餓死したり凍死したりすることもあります。生きものたちにとって、冬眠は命をつないでいく上ではとても重要であると同時に、命がけで行うものであるのです。
(下の画像は植樹であるメギに作られた希少種であるミヤマシロチョウの越冬巣。ミヤマシロチョウは幼虫で越冬します。)
さて、今回はいきもの、主に動物の「冬眠」についての内容とさせていただきました。今回ご紹介させていただいたのは生きものの越冬についてのほんの一部。この他の動物や植物の越冬の仕方がまだまだあります。それはまた、次の機会にでもお話しさせていただけたらと思います。さてみなさん、今年の冬は、生きものの冬に目を向けてみては如何でしょうか。
このところ、吹く風も冷たく、もう冬がすぐそこまで来ていますね。ここ2~3週間の内に万座管内では降雪の情報をチラホラと聞くことができました。ただ、今年は暑い夏でしたし、紅葉もいくらか遅れ気味だったので、私は冬の準備が万全でありませんでした。今、焦りながら冬支度を行っているところです。皆さんは、是非、余裕を持って冬の準備を行ってくださいね♪
さて、その冬支度、必要なのは私たち人間ばかりではないんですねー。そう、動植物などの生きものも、これからやってくる冬に向けて準備を着々と整えているんですよ!
皆さんは、生きものの越冬というと、どんな事を思い浮かべられますか?多くの方は、“冬眠”を思い浮かべたのではないでしょうか。ちなみに皆さん、「冬眠」とはどのような状態の事であるかご存じですか?・・・その通り、読んで字の如く、「冬に眠る」事です。一言で言ってしまえばその通りですが、もう少し詳しくお話しさせていただくと、【①冬に食べ物がない②自分自身で体温調節ができない③体温を保つためのエネルギーを保持できない】と言った理由により冬の間の活動を冬眠により一旦停止しているのです。
①は冬眠するほとんどの生きものに該当します。②は変温動物(周囲の気温により体温が変わる動物)が該当し、具体的にはヘビやカエルが挙げられます。③は主に小型の恒温動物(自分で体温保持ができる動物)のが該当し、具体的にはリスやヤマネが挙げられます。
ところで、皆さんは寒くなるとどんな工夫をしていますか?きっと、暖かな服を着られるとおもいます。では、野生の生きものはどうでしょう。野生の生きものが服を着る事は先ずありません。例えば、恒温動物は洋服代わりの脂肪を蓄えたり、熱エネルギーの消費を最小限にするため体温を0~5度くらいに下げ冬眠を行います。また、外気温の影響を受ける変温動物は気温の低下と共に活動するための熱エネルギーも低くなるため冬の間は枯れ葉や土の中などなるべく暖かな場所で冬眠を行います。
このように様々な工夫を行う事により、冬眠の間凍死することを防ぎ、冬の厳しい寒さを乗り越えていくのです。しかしそこは、自然界。やはり厳しい現実もあり、冬眠前の脂肪の付きが不十分であったり、冬眠場所が良くなかったりして餓死したり凍死したりすることもあります。生きものたちにとって、冬眠は命をつないでいく上ではとても重要であると同時に、命がけで行うものであるのです。
(下の画像は植樹であるメギに作られた希少種であるミヤマシロチョウの越冬巣。ミヤマシロチョウは幼虫で越冬します。)
さて、今回はいきもの、主に動物の「冬眠」についての内容とさせていただきました。今回ご紹介させていただいたのは生きものの越冬についてのほんの一部。この他の動物や植物の越冬の仕方がまだまだあります。それはまた、次の機会にでもお話しさせていただけたらと思います。さてみなさん、今年の冬は、生きものの冬に目を向けてみては如何でしょうか。