中部地方のアイコン

中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

日本のいのち、つないでいこう!COP10

2010年10月20日
妙高
《 妙高高原いもり池のいま 》
黄色のシャツに緑のパンツ、紺のキャップという目立つ服装で
ゴミ袋とゴミバサミ、デジカメと鉛筆とファイルを持って、
本当にたくさんの利用者のみなさんの間を
縫うように吸い殻なんかを拾いながら、
池のまわりの写真を撮ったりメモしたり…
すれ違いざまには、笑顔で「こんにちは!」と声をかけてくる。

そんな人がいたら、私は思わず声をかけたくなります。




「なにしてるんだね?」
「あの山はなんという山?」
「紅葉はまだですか?」
「ミズバショウのころは、このいっぱい生えてるアシはなくなるの?」
「珍しい赤トンボがいるのよ、きれいね~。最近トンボいないのよ…」
「このへんもクマ出ますか?」

本当はこのファッションちょっと恥ずかしいんですが、
声をかけてくれる利用者のみなさんの質問には、
時間が許す限り、一つ一つできるだけ丁寧に答えるようにしています。

熱心に耳を傾けて下さる方、
さらに質問する方。
いろんな方がいらっしゃいますが、皆さん最後は
「ありがとう。」
「頑張ってね。」
「仕事のじゃまして、ごめんね。」と
笑顔で歩いて行かれます。

聞けば、石川、大阪、長野…
遠方からわざわざ足を運んで頂きました。

「少しでも喜んでもらえて、ほんとうによかった。」
心から思い、ホッとする瞬間です。




この日は暑くもなく寒くもなく、まさに行楽日和。
散歩したり、写生したり、写真をとったり、ゆっくり風景を眺めたり…
楽しみ方はひとそれぞれ。
皆さんの楽しそうな笑顔をみていると、
いもり池を含めた妙高高原の大自然が持つパワーを
いつも実感します。

今年は今のところ妙高山の紅葉がはっきりしてきません。
まだ少し暖かいのかもしれません。

ただ、先週よく見かけたマユタテアカネは数がへって、
捕まえてみると羽根がボロボロ。




少しずつ秋は深まってきているようです。

変わって、ものすごいスピードで羽ばたきながらホバリングし、
羽根の半分と縁がオレンジ色の美しい晩秋のトンボ
「キトンボ」を見ることができました。

こちらは最近数が減ってきているようです。

幼い頃、図鑑でしか見たことのない生きものを実際にみることができると、
驚きと感動で、こんな年になってもムズムズしてしまいます。

ただ、保護されているこの地域でも、生きものの種類や個体数は
すこしずつ減っているような気がしてなりません。

皆さんのお住まいの地域はいかがですか?