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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

【日本のいのち、つないでいこう!COP10まで10日前】

2010年10月08日
志摩
《小さなアイデアマン ハイイロチョッキリ》


10月に入り、みなさんのところでもドングリが落ちているのを見かけるようになったのではないでしょうか?ここ伊勢志摩でも、たくさんのドングリが落ち始めています。

さて、このドングリですが!
まだ実の青いまま、穴が空いていたり、枝が付いたまま落ちているのを見かけたことはありませんか?もしかしたら、それはこのハイイロチョッキリの仕業かもしれません。


ハイイロチョッキリ【甲虫目チョッキリゾウムシ科】


ハイイロチョッキリは、本州・四国・九州と広く分布しており、8月~10月頃に出現します。青くてまだ木の実が柔らかい内に、長ーい口を使って穴を開け、中に卵を産み付けます。そうすれば、秋になって幼虫が生まれる頃には、木の実も固くなり外敵から身を守ることができるわけです。そうして、幼虫は安全な場所で、たっぷりの栄養に囲まれながら快適に成長していけるんです!賢い!!

そして、最後には枝を切り落とします。コナラやクヌギが好きなので、下の写真のようなドングリが青いまま落ちていたら、中にはハイイロチョッキリの卵が入っているかもしれません。




1センチにも満たない小さな虫ですが、子孫を残すため工夫を凝らして生きています。じっくり観察してみると、こんな小さな虫の世界にも、それぞれの営みがあって面白いですよね。
自然の中で気になるものを見つけたら、ちょっと立ち止まって観察。今まで知らなかった生きものとの出会いがあるかもしれません。そこから繋がる新たな世界を知れば、きっと生物多様性の面白さが実感できるはずです。





そして!
そんなドングリを使った観察会が、横山ビジターセンターで開催されます。ハイイロチョッキリだけでなく、ドングリが支える生きものたちの世界についても解説します。ドングリの見分け方講座や、クラフト体験もあるので、ぜひお越しください♪

『ドングリ探しとドングリクラフト』
  日時:10月30日(土)9:30~11:30
  定員:20名(小学生以上)
  集合場所:横山ビジターセンター


ドングリや木の実を使ったクラフト


詳しくは、横山ビジターセンターまでお問い合わせください。
伊勢志摩国立公園 横山ビジターセンター
〒517-0501 三重県志摩市阿児町鵜方875-24
TEL:0599-44-0567 
FAX:0599-46-0701






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