アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
中部生物多様性物語Ⅰ 世界記録を支える森
2010年10月01日
名古屋
COP10の開催を記念して、開催地、愛知・名古屋から、地元にまつわる生物多様性の話を紹介していきたいと思います。
まず第一弾は、愛知県が生んだヒーロー、大リーガーイチロー選手に関わる生物多様性のお話です。
*10回目の締約国会議(COP10)が開催される名古屋国際会議場。
9月23日のブルージェイズ戦で、前人未到の10年連続200安打を達成したイチロー選手。そのスーパースターと、生物多様性がどうして関係あるの?と思った人も多いことでしょう。しかし大記録を打ち出したバットは、何でできているでしょうか?そうです。木で出来ていますよね。
イチロー選手のバットは、「アオダモ」という木で作られています。アオダモは、しなりがあり、金属音に似た音を発するため、イチロー選手に限らず、バッターが好む木でもあるそうです。
長年イチロー選手のバットを作り続けているミズノテクニクス・プロバットマイスターの久保田五十一さんによると、年間、イチロー選手のために作るバットは、練習用も含めて120本。そのためには1万本の木が必要だといいます。 というのも、イチロー選手は、道具へのこだわりは強く、出す指示もグラム単位。ミリ単位。その結果生まれたのが、バットの長さは、85㎝。太さは一番太いところで、62.5㎜。重さは、880~900gというサイズ。
さらに良い木でできたバットは、良い音がする、と、久保田さんがバットを実際に叩き、120本を選り分けるといいます。
*イチロー選手が実際に使うバット。
(写真)株式会社ミズノより提供
豊かな材料と、職人の技から生まれるバット。では、良い音がする良い木とは、どういう環境で作られているのでしょうか?
実際に山を歩き、バットにする木を選別する久保田さんの話によると、良い木が育つ良い森とは、鳥類が集い、昆虫が生息し、多様な生物が生きる森だといいます。つまり生物多様性に富んだ森。
*植樹は、地元のこどもをまじえて行われました。
(写真)株式会社ミズノより提供
イチロー選手のバットを作り続けている久保田さんは、2005年より、親会社である株式会社ミズノが、岐阜県高山市にある「オークビレッジ」と共同で行っている「バットの森・記念植樹に」に参加し、こんなコメントを残しています。
「バット作りにたずさわっていた自分が、バットの材料であるアオダモをもう一度山に戻すことができて幸せだ」、と。
イチロー選手の記録は、生物多様性と、その豊かな森を守ろうとする人々の気持ちによっても支えられている、と言えるのかもしれません。
まず第一弾は、愛知県が生んだヒーロー、大リーガーイチロー選手に関わる生物多様性のお話です。
*10回目の締約国会議(COP10)が開催される名古屋国際会議場。
9月23日のブルージェイズ戦で、前人未到の10年連続200安打を達成したイチロー選手。そのスーパースターと、生物多様性がどうして関係あるの?と思った人も多いことでしょう。しかし大記録を打ち出したバットは、何でできているでしょうか?そうです。木で出来ていますよね。
イチロー選手のバットは、「アオダモ」という木で作られています。アオダモは、しなりがあり、金属音に似た音を発するため、イチロー選手に限らず、バッターが好む木でもあるそうです。
長年イチロー選手のバットを作り続けているミズノテクニクス・プロバットマイスターの久保田五十一さんによると、年間、イチロー選手のために作るバットは、練習用も含めて120本。そのためには1万本の木が必要だといいます。 というのも、イチロー選手は、道具へのこだわりは強く、出す指示もグラム単位。ミリ単位。その結果生まれたのが、バットの長さは、85㎝。太さは一番太いところで、62.5㎜。重さは、880~900gというサイズ。
さらに良い木でできたバットは、良い音がする、と、久保田さんがバットを実際に叩き、120本を選り分けるといいます。
*イチロー選手が実際に使うバット。
(写真)株式会社ミズノより提供
豊かな材料と、職人の技から生まれるバット。では、良い音がする良い木とは、どういう環境で作られているのでしょうか?
実際に山を歩き、バットにする木を選別する久保田さんの話によると、良い木が育つ良い森とは、鳥類が集い、昆虫が生息し、多様な生物が生きる森だといいます。つまり生物多様性に富んだ森。
*植樹は、地元のこどもをまじえて行われました。
(写真)株式会社ミズノより提供
イチロー選手のバットを作り続けている久保田さんは、2005年より、親会社である株式会社ミズノが、岐阜県高山市にある「オークビレッジ」と共同で行っている「バットの森・記念植樹に」に参加し、こんなコメントを残しています。
「バット作りにたずさわっていた自分が、バットの材料であるアオダモをもう一度山に戻すことができて幸せだ」、と。
イチロー選手の記録は、生物多様性と、その豊かな森を守ろうとする人々の気持ちによっても支えられている、と言えるのかもしれません。