中部地方のアイコン

中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

【日本のいのち、つないでいこう!COP10まで50日前】

2010年08月27日
志摩
《貝なのに水が苦手? アラレタマキビ》

突然ですが!
みなさん、貝がいる場所を思い浮かべてみてください。
貝を見かけるのって、海など水が豊富にある場所ですよね?
貝って水が好きなんでしょ?というイメージを覆すような、ちょっと変わった種類をご紹介します。

「アラレタマキビ」という巻き貝です。
この貝は、潮間帯(ちょうかんたい)と呼ばれる潮が満ち引きする場所で見られ、海辺にいながら波を避けて岩場にくっついています。例え水の中に移動させたとしても、乾いた岩の上まで上がってきて、波しぶきがすこーしかかるだけの場所に落ち着きます。生息地は、北海道南部以南。沿岸部であれば、ほぼ確実に見つけることができます。


アラレタマキビ【盤足目タマキビ科】


炎天下で焼けた岩の上に引っ付いているのを見て、暑くないのかなぁ?と心配になり、調べてみたところ・・・
このアラレタマキビという貝は、殻口の一部でつま先立ちをして暑さをしのぐことができるのだそうです!
本当に暑さをしのぐための行動かどうかは、アラレタマキビに聞いてみないと分かりませんが、これは他の貝には見られない行動です。(その姿をカメラに納めることができたら、別の機会にご紹介いたします!)


水の中でも平気な貝たち


上の写真の貝たちは、水の中でも平気。同じ貝の仲間なのに、いろんな性格があって面白いですよね。

「生物多様性」を理解することってなかなか難しいですが、こういう小さな違いに気付いたり、興味を持つことが第一歩。「違い」を敏感に感じ取れるようになったら、地球のいのちのいろんな変化やつながりが見えてくるはずです。



★全国のアクティブ・レンジャーが綴る「日本のいのち」
日本のいのち、つないでいこう!

★環境省 生物多様性ホームページ
生物多様性-Biodiversity-

★COP10/MOP5日本政府公式ウェブサイト
生物多様性条約COP10/MOP5日本政府公式ウェブサイト