中部地方のアイコン

中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

レンゲツツジ保全作業報告&自然観察会開催のお知らせ

2010年06月21日
万座
こんにちわー!!
梅雨入りとなりましたがいかがお過ごしですか。“何だか気分が滅入ってしまうわ~”といった感じでしょうか?確かに雨雲の、あの“どんよーり”とした空を見上げるとそんな気分にもなってしまうかもしれませんね。うんうん、わかります。わかるんですが、実はわたくし、夏の雨がちょっと好きなんですよね~。好きな理由の1つとして、降り始め時に感じられるニオイが挙げられます。雨が地表に触れ、蒸発した瞬間のニオイがツボなんです。「こんなニオイですよ!」とお伝えしたいのですが、なかなか良い表現が…雨が降ったからと直ぐ窓を閉めるのでなく、あえて外の空気を感じてみてください。私と同じツボの持ち主がいらっしゃると嬉しいです。


さて、みなさんは“湯の丸山のレンゲツツジ群落”はご存じでしょうか。湯の丸山には約60万株のレンゲツツジが群落を形成し、6月中旬過ぎから開花を始め、下旬にもなると辺り一面を朱色に染め上げます。それはまぁ見事なまでに。レンゲツツジ群落に一歩足を踏み入れると、まるでおとぎの国へ迷い込んだのかと錯覚すら覚えてしまいます。ちなみに、湯の丸山のレンゲツツジ群落は国の天然記念物に指定されています。
しかし、ここ数年の環境の変化(温暖化など)によりレンゲツツジを取り巻く環境が急速に変化をしてきました。ササの繁茂や周囲の樹木の成長などにより、レンゲツツジが十分な照射を得られず、花芽を付ける力を失ってしまいました。
そこで、我々人間の出番です!レンゲツツジ群落の生育環境をより改善し守っていこうと、地元住民を始めとした方が集まり、平成19年にレンゲツツジ保存会が発足されました。今では、この保全作業へ一般の方たちもたくさん参加をされています。

その保全作業が6月12日に行われ、鹿沢万座パークボランティアの皆さんと参加してきました。この日は天候も良く、地元の嬬恋高校の生徒やボランティアなど総勢70名が、レンゲツツジ保存会の方の指導の下、一生懸命作業に取り組んでいらっしゃいました。


【たくさんの参加者】

【作業風景】(あっ!パークボランティアさんに見つかった!笑)

私は、刈り込みばさみ(丸で囲わせていただいたパークボランティアさんがお持ちのもの)でレンゲツツジ周囲のササ刈りをしましたが、腕が筋肉痛になっておりました。どうやら、力の入れ方が上手くなかったようです。
ササに埋もれていた株もありましたが、今回の保全作業でまたキレイサッパリとその枝振りを確認できるようになりました。今年もまた、美しい表情を魅せてくれることと思います。

今回の作業時にはまだレンゲツツジの蕾が色づいていませんでした。今年は例年よりも、10日ほど開花が遅れているようです。見頃は7月に入ってからになりそうですが、ここ数日気温も上がったりしていたので少し花芽が開いてきたかもしれません。ぜひ、おとぎの国へ迷い込んでみてください。
※休日や見頃を迎える今月末からは混み合う事が予想されます。無理な追い越しやスピードの出し過ぎにはお気を付けください。


~参加者募集~


生物多様性条約締約国会議(COP10)が平成22年10月に名古屋市で開催されます。開催を記念し、万座自然保護官事務所では「自然を見る・感じる~レンゲツツジ咲く「湯の丸山」編~」と題し自然観察会を行います。
生物多様性とは何か、また私たちにできることは何かを湯の丸高原の自然に触れながら一緒に考えてはみませんか。
興味のある方ならどなたでもご参加いただけます(※半日程度の登山が可能な方、小学生以下は保護者同伴でお願いいたします)。

申し込み及び問い合わせ先は万座自然保護官事務所でお受けいたします。
万座自然保護官事務所 TEL:0279-97-2083(9:00~17:00)

ご参加お待ちしています!!