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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

名古屋名物「きしめん」で生物多様性を考えてみる

2010年04月14日
名古屋
 いま名古屋は、今年10月に開催される「COP10」に向け、賑わいを見せてきました。しかも今年は、「国際生物多様性年」というわけで、弥が上にも期待が高まっているのですが、世の中の関心が高まれば高まるほど、今さら聞けないのが「生物多様性って、ナニ?」
 そこで開催地名古屋のARとして、名古屋名物を使って、「生物多様性」を解説したいと思います。

      
       *地球を丼で考えてみると・・・

 一時期「名古屋めし」とも呼ばれ、ブームとなった名古屋の味。中でも名古屋人のファーストフードとして親しまれているのが「きしめん」です。だしのきいたつゆ、喉腰のイイ麺、甘辛く煮た油揚げ、彩りのほうれん草、かまぼこ、そして風味の鰹節が揃ってこそきしめん。どれかが欠けると物足りない味になってしまいますし、何か鮮度の悪いモノが入ったら、それこそきしめんそのものを台無しにしてしまいます。実は「生物多様性」にも同じことが言えるんです。
 仮に地球を「奥山自然地域」「里地里山・田園地域」「都市地域」「沿岸域」「海洋域」「島嶼地域」にわけてみると、それは互いにつながり、関係しあっているのがわかります。丼の中のさまざまな具が絶妙なバランスをとって、ひとつのきしめんとなっているように、まさに地球はひとつなんですね。
 生物多様性とは、いきものが多くの種類にわかれていることによって、地球上のさまざまな環境に適していることを言います。またそれにはいきものが過去から遺伝子を変化させることによって環境に適応してきた結果でもあります。
 いま、地球上で年間4万種の野生生物が絶滅していると言われていますが、こんなスピードでいくと地球はどうなってしまうのでしょうね。
 地球が何か物足りない「きしめん」になってしまわないように、また妙な味の「きしめん」になってしまわないように、一人一人できることを考えたいものです。
 名古屋で、もしきしめんを食べる機会があったら、ぜひ「生物多様性」のことを思い出してくださいね。