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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

立山室堂にやっと桜が咲きました

2008年07月16日
立山
桜前線がやっと室堂にやって来ました。高山に咲く「ミネザクラ」です。葉が開くのと同時に花が咲く淡いピンクの花です。雪が溶けた所から背丈の小さい高山の植物たちが華麗で、せーいっぱい大きな花を咲かせます。またこの時期にライチョウのヒナが誕生します。
ヒナは自分で体温を保つことが出来ないため、雌親のおなかの中に入り込み、暖まると雌親から離れ採食を始めます。このように雌親に暖めてもらいながら採食し「クウクウー」という声に誘われて谷筋に移動します。谷筋は雪が溶けたところから、高山植物が芽吹き、若葉が開いた植物がヒナの大切な餌になります。また捕食者からの身を隠す高茎植物の多い場所です。ヒナは巣立ちから10日目頃には2から3m飛べるようになり、約4週間位で幼鳥の姿になり成長していきます。しかし捕食者による被害や凍死などでうまく秋まで生きのびる数は少ないようです。ライチョウのヒナを見つけた時、追わないで優しく見守って下さい。


ミネザクラ別名タカネザクラ

生まれて3日位のヒナ、ピヨピヨと可愛い声で鳴いている。たくましく生きのびてほしい。

雌親のおなかに4羽のヒナが入っている為大きく膨らんでいる。5~6分間程暖めてもらいます。親からはぐれると死がまっている厳しい環境で生活しています。