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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

菅平湿原

2008年05月21日
長野
 菅平の自然と言えば四阿山・根子岳などが代表的ですが、実はこの菅平高原にはその副産物としてりっぱな湿原が存在します。この菅平湿原は旧四阿火山が噴火した際に現在の場所にあった谷を溶岩でせき止め、湖が出来て浸食され湿原が形成されました。現在この湿原は動植物が多く生息し、遊歩道として木道などが整備され地元の方にとても大切にされています。
しかし残念なことに近年土砂の流入により湿原の陸化が進行しているとのことです。対応策として沈砂池などを造り陸化を防いでいますが、私としても現地状況をモニタリング(定点位置にて植生変移などの観測)することによって、この先のより良い保全のために役立てていけたらなと思います。
今回の調査で思ったことですが、野鳥がとても多く渡り鳥もたくさん飛来し、人の利用のみならず動物たちの利用も多いことから、ここの自然の豊かさを感じ取ることができました。



カルガモも春の芽吹きを楽しみながら木道を散歩です。
人も動物も季節を感じ取る五感は同じなのでしょうね。



ミズバショウは数こそ多くはありませんが、一つ一つ元気に咲いています。



沈砂池周辺と湿原遊歩道(木道)です。池の中にはクロサンショウウオの卵嚢が所々見られます。周りにはイチリンソウなどの野花が沢山咲いていました。

※湿原内の木道は部分的に老朽化して危険な為、立ち入り禁止表示のある木道は歩かないようお願いいたします。