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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

立山黒部アルペンルート全線開通安全祈願祭

2007年04月20日
長野
4月17日に行われた立山黒部アルペンルート全線開通安全祈願祭に出席してきました。この祈願祭は立山黒部アルペンルートを訪れる観光客や登山客の安全を祈願する毎年開催の祈願祭です。今回の招待者は約50名で報道関係の方も多く来ていました。
全線開通ということもあり一般観光客もたくさん訪れていました。
しかしそのほとんどは外国人旅行者でツアー客が主で個人旅行者は数組程度でした。統計によると毎年約9万人程の外国人観光客が訪れ年々増加傾向にあるようです。今回私が見た感じでは中国、台湾、韓国などのアジア系の旅行者が多いようでした。
祈願祭当日はあいにく天候が悪く、ガスが濃く雪も舞っていました。まさしくホワイトアウト状態で立山自然保護センターと立山センターを視察してきましたがこの施設の間を行き来するだけでも大変な状況でした。
一般の観光客もターミナルから外に出てもすぐに引き返す方が多くとても残念そうにしていました。
今年の室堂は例年よりも雪は少なめでした。とは言え油断は禁物です。
残念な話ですが祈願祭の次の日に雷鳥沢でスキー客が雪崩に巻き込まれ1人が死亡という悲しい事故がありましたが、祈願祭直後の事故でしたので何とも言えない気持ちになりました。
山岳スキーは下界のゲレンデスキーと異なり高度なテクニック、判断、責任が伴います。一般の人たちにしてみればそれはまさしく「冒険」です。
故植村直己氏が言っていた言葉の一つに「冒険とは生きて帰ること」と言う言葉があります。私なりに解釈してみましたが、単純に言うと周りに迷惑をかけないと言うことです。
これからの夏山に向けて登山やスキーをする方は「責任」も一緒に担いで自己の安全をよく考えて行動するようにしてもらえたらなと思います。





扇沢駅にてトロリーバスを待つ観光客。
皆これから先の道中を想像し楽しそうな顔をしていました。




ホテル立山前の遊歩道です。通路がわかりにくいので緑の線で書いてみました。雪の壁で一番高いところでは約3mぐらいありました。



安全祈願はホテル立山レストラン内で行われました。
出席者一同真剣にお祈りを捧げておりました。