アクティブ・レンジャー中部地区
乗鞍山守隊の活動が始まっています
2024年10月18日 こんにちは! 乗鞍・白骨アクティブ・レンジャーの中岡です。
乗鞍高原では、今年度から登山道整備団体『乗鞍山守隊』の活動が本格的に始まっています。
今回はその活動をご紹介します。
乗鞍山守隊の特徴は、登山道や散策路の整備を通じた「生態系の回復」を目標に掲げていることです。山の中を通る登山道や散策路は、いちど人間の利用圧と自然の回復力のバランスが崩れると、植生の後退や雨氷による表土の侵食が生じ、やがて谷のようにえぐれてしまいます。そうなると、その登山道は人が歩くという本来の役割を果たせなくなるだけでなく、周囲の自然環境にも荒廃が広がって、山の貴重な生態系そのものに影響を及ぼしてしまいます。それを未然に防ぎ、また既に荒廃が起きている場所を回復させようというのが、乗鞍山守隊のポリシーです。
発足のきっかけは、数年前から北海道の大雪山・山守隊の岡崎哲三さんを乗鞍にお呼びして、歩道整備講習会を開いたことです。そこで岡崎さんが伝えてくれた山岳管理の理念に共感した乗鞍高原の方が、昨年、団体の発足を決意されました。
今年度の具体的な活動としては、乗鞍高原の登山道や散策路を踏査して今の状況を記録しているほか、いくつかの場所で整備作業も実施しています。
乗鞍岳の位ヶ原に上がる斜面では、以前から登山道周辺の表土の流出が起きていましたが、数年前から近自然工法の技術を用いて整備を続けたところ、今年7月、新たなハイマツの芽が出てきました。
さらに今年は、他の裸地部分にも植生回復用のネットを増設したほか、雨水の流路となってしまっている登山道上に土嚢を積んで、これ以上の侵食を防ぐ施工を新たに行いました。
11月3~4日には、一般の方も参加可能な整備イベントを予定しており、現在参加者を募集中です。
乗鞍山守隊の活動に興味を持っていただいた方は、ぜひ乗鞍山守隊Instagramも覗いてみてください。
https://www.instagram.com/norikura_yamamoritai/
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