中部山岳国立公園

乗鞍高原・今年の水不足とトイレ

2023年11月10日
松本 中岡浩貴
 乗鞍・白骨アクティブ・レンジャーの中岡です。

 
 乗鞍高原・一の瀬では紅葉が終わり、積雪が始まるまでの間、冬枯れの景色が広がっています。
 一の瀬の入口には、ネイチャープラザ一の瀬と呼ばれる建物の横に、環境省が管理する公衆トイレがあります。今季、このトイレが例年にないトラブルに見舞われました。今回はその顛末記です。

 
 今夏、猛暑・少雨により各地で深刻な水不足が生じた事はご存じの方も多いと思いますが、乗鞍も例外ではありませんでした。乗鞍高原の河川が流れ込む奈川渡ダムでは、水位の低下で湖底が露出。9月のある日、トイレにも水が一滴も流れなくなってしまいました。こんな事態は初めてでした。
 水源そのものが枯れてしまったため、一旦トイレの閉鎖という判断をしました。しかし一の瀬内はトイレが限られている上、コロナ禍明けの今年はたくさんの利用者の方にお越し頂いていたため、大きなご不便をおかけしてしまいました。


 どうしたものかと頭を抱えていた所、地元の皆さんから救いの手が。建物横に給水タンクを仮設して頂いたお陰で再び水が流せるようになり、一室のみではあるものの利用を再開し、10月の紅葉最盛期にトイレが全く使えないという状況を避ける事が出来ました……。


こうして波乱のグリーンシーズンが終わった今週、トイレを夏の仕様から、冬の仕様に切り替える作業を行いました。猛暑の影響か、冬眠場所を探し求めて建物内に入り込む虫達が例年になく多く、清掃も一苦労。
 冬の一の瀬はスノーシューやネイチャースキーのフィールドになりますが、今回のトイレは引き続き利用が可能です。冬仕様のトイレでは、男女それぞれ一か所設置したぼっとん式の便器を利用して頂く形になります。
 -10℃以下に冷え込む冬の間も、清掃やペーパーの補充のため徒歩で現地まで往復して利用環境を維持しています。どうかマナーを守って綺麗にご利用頂くようお願いいたします。