中部山岳国立公園

登山道整備講習会in乗鞍高原

2023年07月19日
中部山岳国立公園 中岡浩貴


 乗鞍・白骨アクティブ・レンジャーの中岡です。
 今回は7月8日(土)~9日(日)に開催された登山道整備講習会をご紹介します。

 今回のイベントはのりくら高原ミライズ、岳都・松本 山岳フォーラムとの協同で「近自然工法」の考え方を学ぶイベントとして参加者の方を一般募集して開催されました。
 近年、各地で登山道の維持管理が課題となっていますが、近自然工法では、流水による侵食など自然界の力学を観察・模倣し、その作用をうまく利用することで元の植生が回復することを目指します。

 パンフレット「登山道を直す~近自然工法の考え方と技法~」 - 信越自然環境事務所
 https://chubu.env.go.jp/shinetsu/content/900118062.pdf


 作業した場所は、乗鞍高原一の瀬のビュースポットである「まいめの池」に至る散策路です。この道は人の往来で出来た踏み跡に、雨のたびに水が流れることで、ガリー(谷)状に洗堀されて歩きづらくなっていました。二日間とも雨(というより暴風雨……)だったため、実際に水の流れを観察し、何が原因で道が削られてしまったのかを皆で考えながら、一の瀬で出た伐採材や石、土砂など現場で手に入る資材を使って階段工を整備しました。



 整備した二か所のビフォア・アフターです。

 今後、植生が復元していくかは観察が必要ですが、人にとっても歩きやすい道になったので、乗鞍高原を訪れた際は是非歩いてみてください。