アクティブ・レンジャー中部地区

冬の乗鞍散策にあたっての諸注意

2025年11月26日
中部山岳国立公園 中岡浩貴

 こんにちは! 乗鞍・白骨アクティブ・レンジャーの中岡です。


 ここ数日、乗鞍・上高地でも雪が降り始めました。例年、12月に入ると本格的な積雪が始まり、乗鞍高原でもスノーシューやネイチャースキーでの散策が出来るようになります。
 冬の乗鞍高原を安全に楽しむため、今回は幾つか注意事項を周知させていただきます。

①一の瀬草原では、KURUMu(旧ネイチャープラザ)横の公衆トイレが冬も利用可能です。10月に完成したまいめの池駐車場の新トイレは、今冬は使えませんのでご注意ください。雪の上では用足しをしないでください。


②善五郎の滝は、雪が積もると降り口の階段が氷の滑り台のようになり、非常に滑りやすくなりますので、必ずチェーンスパイクやアイゼンなど滑り止めの装備を使ってください。


③善五郎の滝は、多くの方がアイスクライミングや氷瀑見物で滝の間近まで踏み込みますが、これは川の上に出来た氷に立っている状態です。決められた園路やデッキの外は管理されていませんので自己責任のもと十分注意してください。
 昨シーズンはイグルーを作ろうと雪を掘り下げている方がいましたが、真下には川が流れており他の利用者にも危険が及びますのでおやめください。


④同じく、厳冬期は池の上を歩けるようになりますが、初冬・晩冬は氷が薄くなりますので自己責任のもと十分注意してください。


⑤近年は暖冬で冬の間でも地面が露出していることがあります。そういった場合、湿原地帯の上では無理やりスノーシューなどで踏み込まないようにしてください。


⑥ゴミは各自でお持ち帰りください。


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 近年、自然の美しい側面だけが強調され、一般の観光地と同じ感覚で雪山の領域に踏み込まれる方が増えています。積雪期のアウトドア活動には、極端な低温や滑落、吹雪による道迷いなど、貴方の身体や生命を脅かすリスクがあります。雪山を楽しむには、そうしたリスクに対応できる技術や準備が前提となることを忘れないようにしてください。