ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2020年5月26日

4件の記事があります。

2020年05月26日#STAYHOME レンジャーの仕事

中部山岳国立公園 関根陽太

こんにちは。中部山岳国立公園管理事務所の関根です。

 

今回はレンジャーの仕事も紹介させていただこうと思います!

 

現地勤務するレンジャーが管理する国立公園は、『自然公園法』に基づき日本を代表する自然の風景地を保護し利用の促進を図る目的で環境大臣が指定する自然公園のことです。

 

保護と利用については、国立公園ごとに『公園計画』で定めています。

保護については、地種区分として6つにランクに分け段階的な規制を掛けています。(海の無い地区は5つです!)

利用については、宿や休憩所、駐車場、歩道、車道などの利用施設を計画し、執行者によって運営されています。

 

地種区分は、特別保護地区や特別地域などがあり、生物多様性センターのWebGISのページでご覧いただけます!

一番規制が強い特別保護地区を取り囲むように段階的に計画されているのが分かります!

 

制度について詳しく知りたい方は、日本の国立公園HP内をご覧ください。

 

規制されている区域内で植物や岩石を採取したい研究機関の方もいますし、建築工事だってありますし、宿を営んだりしながら国立公園内に生活している方々もいらっしゃいます。

そういった活動のうち、区域に応じて規制される行為を行う場合や公園事業の変更を行う場合などについては申請書を提出していただき、国立公園内での様々な行為などを審査して、許可・認可する業務がレンジャーの仕事のひとつです。

 

審査は、地域ごとの特性に合うように作られた、『管理計画書』に沿って進められます。

まずは、乗鞍地域や上高地などが属している中部山岳国立公園南部地域管理計画書を見てみましょう!

審査の方針には、構造物等の材料や色、動植物の採取についても書かれています。

「このように、国立公園の景観と自然に配慮しているのか~」と、国立公園に行ったことはあっても知らないような、管理の目線から国立公園を知れると思います!

 

申請内容を審査する服部レンジャー

 

国立公園に関する、ご不明な点がございましたら、最寄りの事務所までお問い合わせください。

 

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中部山岳国立公園では、コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、都道府県をまたいでの不要不急の来訪や、感染リスクが高まるような行動の自粛をお願いしています。お出かけの前に、各自治体や訪問先が発信している情報をご確認ください。早期収束に向け、みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

なお、この投稿は「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。

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2020年05月26日#STAYHOME 木島平村の紹介

上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

志賀高原管理官事務所が担当する市町村を紹介する3回目。

今回は長野県の木島平村(きじまだいらむら)を紹介します。

木島平村の位置

<南から、須坂市(すざかし)、高山村(たかやまむら)、山ノ内町(やまのうちまち)、木島平村、野沢温泉村(のざわおんさんむら)、栄村(さかえむら)の6つを担当しています。前回は高山村を紹介しました。>

木島平村について、少し詳細な地図を載せます。

木島平村と国立公園

では、木島平村の国立公園の主な興味地点として

・カヤの平高原(かやのたいら こうげん)

・北ドブ湿原(きたどぶ しつげん)

・高標山(たかっぴょうやま、こうひょうさん)

・奥志賀渓谷(おくしが けいこく)

の4つを紹介します。

なお、カヤの平高原へのアクセス道路の状況ですが、木島平村糠塚(ぬかづか)からカヤの平高原に続く清水平林道及び栄村からの秋山林道は冬期閉鎖が解除されました。しかし、奥志賀高原栄線は、志賀高原側からも野沢温泉村側からも冬季閉鎖に引き続き災害復旧工事が行わるためしばらくは通行できません。

■カヤの平高原

木島平村の東部にある高原。標高約1,400mから1,750mに広がる高原。次に紹介する「北ドブ湿原」と「高標山」もこの地域にあります。

カヤの平高原の樹齢300年を超えるブナ林は「日本一美しいブナの森」と呼ばれ、森を散策する遊歩道があります。遊歩道は複数あり、距離や標高差もさまざまなので、体力や時間に合わせて選ぶことができます。

また、遊歩道の起点となる「総合案内所」の周辺に、駐車スペース、宿泊施設やキャンプ場があります。

カヤの平のブナ林

<ブナ林。幹の太さを感じられるように撮影時の自然保護官も写しています。平成27年6月11日撮影。>

カヤの平牧場での放牧

<夏期に牛が放牧されることがあります。平成29年7月21日撮影。>

■北ドブ湿原

カヤの平高原にあり、標高は約1,540mです。現地の案内標識では、「総合案内所」から遊歩道で約40分です。

木道があるので湿原の花々を近くで楽しむことができます。

北ドブ湿原にニッコウキスゲなどが咲いている

<日本一美しいブナ林を抜けて、さらにこの景色です。ニッコウキスゲ、ヒオウギアヤメ、ワタスゲの綿毛など。平成29年7月21日撮影。>

■高標山

木島平村の南東部に位置し、山頂の標高は1,747mです。

「総合案内所」との標高差は約300mで、歩行時間は山と高原地図によると、「総合案内所」から山頂まで約2時間です。

山頂からは志賀高原のほか、竜王山、高社山などの山々や千曲川沿いの市街地も望むことができます。

なお「たかっぴょう」が一般的な呼び方ですが、「Kohyosan」と書かれた誘導標識が登山道の途中にあったため「こうひょうさん」を併記しました。

高標山山頂から奥志賀高原を望む

<高標山山頂から奥志賀高原を望む。右奥に焼額山、中央奥に岩菅山。平成29年7月21日撮影。>

■奥志賀渓谷

雑魚川(ざこがわ)は山ノ内町の志賀高原から北へ流れた後、木島平村、栄村、新潟県津南町を経て、信濃川に合流します。

奥志賀渓谷は、雑魚川沿いのうち、山ノ内町、木島平村、栄村の境界が出会う付近にあります。奥志賀渓谷には、ブナやミズナラの落葉樹林や、雑魚川の滝を巡る探勝歩道があり、この一部が木島平村地内にあります。

なお、雑魚川での渓流釣りは遊漁証を購入しルールを守ってお楽しみください。

雑魚川沿いの歩道

<雑魚川沿いの歩道。川に足を浸すのも気持ちよいです。平成29年6月20日撮影。>

さて、志賀高原管理官事務所担当区域のある長野県と、隣接する新潟県、群馬県では緊急事態宣言が解除されました。しかし、コロナウイルス感染拡大防止のため、各県とも県外との往来は控えていただくことや感染リスクを高めないような行動がお願いされています。

このため、多くの人に国立公園を訪れて自然を楽しんでいただくのがまだ難しいところがあります。引き続き、外出を行わなくても国立公園を楽しんでいただくための情報発信を行います。

 環境省信越自然環境事務所では「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」を実施しています。

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2020年05月26日#STAYHOME 立山黒部アルペンルート雪の壁の変化

中部山岳国立公園 一ノ枝亮輔

こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の一ノ枝です。4月からアクティブレンジャーとして立山に着任し、わからないことだらけで、日々新しい学びを得ています。

室堂などの現場も今年は限られた数で巡視などに行っている現状ですが、今回はその際に撮った雪の状況をご紹介させていただきます。

5月の立山はまだまだ雪山で白銀の世界です。

<見えている建物が、室堂ターミナル(2450m)

室堂まで行くには富山県側からですと、「富山地方鉄道」で立山駅(標高475m)まで(ここまではマイカーも可)、「立山ケーブルカー」で美女平駅(標高 977m)まで、美女平から室堂(標高2450m)までは「立山高原バス」で進みます。高原バスの乗車時間は約50分です。標高差約1500mを一気に上がっていきますので移り変わる景色もどんどん変化していきます。

<出典:立山黒部アルペンルート

今回室堂まで巡視に行った時のアルペンルートをコマ撮りしてみました。撮ったエリアが高原バス区間の標高1500m程~2450mまでとなります。

アルペンルートを雪が続く道を室堂まで進む

<室堂までの雪の変化>

雪の壁が徐々に高くなり正面に大きな建物が現れる画像が「室堂」です。

動画が発達している現代で動画ではなく恐縮ですが、、、道の両側にある積雪の変化が見て取れると思います。

標高が上がるにつれて積雪量が増える傾向にあります。ですが、標高が高くても積雪が少ない場所もあり、単純に「なぜだろう?」と不思議に思ったりもします。

雪の壁が高く見上げるような高さの場所(室堂に到着する手前)が有名な「雪の大谷」です。



富山に住みはじめて思ったのが、水が豊かで冷たくて美味しいということ。

山々に降り積もったこの雪が平地に住む私たちの生活に密接に関わっているのだと感じさせてくれます。

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なお、この投稿は「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。

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2020年05月26日♯STAYHOME 乗鞍スカイラインの巡視に行ってきました

中部山岳国立公園 福澤春彦

こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。

飛騨山脈(北アルプス)の南端には、その名の通り馬の鞍のようなとても大きな山容

の乗鞍岳があります。

乗鞍岳は、岐阜県と長野県にまたがる太古の火山活動によってできた大小23

峰からなる山域全体の総称で、その一つ剣ヶ峰は標高3,026mの高峰です。

その乗鞍岳には、岐阜県側から乗鞍スカイライン、長野県側からは乗鞍エコーラインを

利用して公共交通機関で畳平ターミナル(標高2,702m)にアクセスすることができます。

雪に閉ざされていた岐阜県平湯からの乗鞍スカイラインは例年通り5月15日に冬期通行止めが解除されましたので、巡視に行ってきました。

現在、緊急事態宣言は解除されたものの、引き続きコロナウイルスの感染症の防止のため

公共交通機関(バスやタクシー)及び畳平周辺施設は、運休並びに休業中です。

詳細は乗鞍スカイラインホームページにてご確認ください。

https://norikuradake.jp/

<畳平駐車場の様子>

当日は霧で視界が効かない天気でしたが、時折雲の切れ間から日が差すと

残雪に碧い水が映える鶴ヶ池や摩利支天、大黒、魔王、富士見など近景の峰々が

姿を見せていました。

<雪解けの鶴ヶ池>

天気はなかなか良くなりませんが、こんな天気でもと少し期待できることが

あります。周辺を歩いてみると思った通り、雷鳥に出会えました!

ちょうど夏羽に変わった頃でしょうか、オスとメスのカップルに出会えました。

7月頃には、微笑ましい親子の姿が見られるはずです、楽しみですね。

<乗鞍の雷鳥(オス)>

最近、群発地震が起きていることから畳平周辺の遊歩道を確認しましたが、大きな影響

は出ていませんでした。

しかし畳平一帯は標高3000mに迫る山岳地帯です。

まだまだ周辺には沢山の残雪があり、遊歩道にも残っている箇所が見受けられます。

この時期の雪は、降雨や大きな気温差で溶けたり凍ったりを繰り返します。

歩道に残るわずかな雪でも転倒しないよう注意深く歩くことが肝要です。

例年と違いこれまで人が入っていない山岳地帯の道は、浮き石も多く見られ

落石や転倒に一層注意する必要がありました。

<歩道の様子>

また、5月中旬とは言え当日の畳平では0度、風に吹かれれば体感はマイナス温度と

なります。

山岳地帯など高所への観光には防寒着や防寒グッズは必須ですね。

乗鞍以外にも中部山岳国立公園を存分に楽しんで頂くには、お出かけの際に「寒いかな?」と頭に思い浮かべてみてくださいね。

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中部山岳国立公園では、コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、都道府県をまたいでの不要不急の来訪や、感染リスクが高まるような行動の自粛をお願いしています。お出かけの前に、各自治体や訪問先が発信している情報をご確認ください。早期収束に向け、みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

なお、この投稿は「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。

http://chubu.env.go.jp/shinetsu/pre_2020/stayhome.html

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