報道発表資料
2023年09月29日
- 報道発表
中部山岳国立公園上高地におけるクマによる人身事故の発生について(9/27発表分の続報)
中部山岳国立公園上高地にある岳沢湿原付近において、9月27日(水)12時頃、歩道を歩いていた公園利用者がクマと遭遇し、けがをするという事故が発生しました。
この事故を受けて、事故現場周辺の歩道を閉鎖するとともに小梨平キャンプ場のテントの利用を禁止する措置を実施しておりました。この度、被害者への事故状況の聞き取り、周辺の状況確認、安全対策のための歩道周辺のササ刈りなどを行うこととし、対策に目処が立ったことから、9月30日(土)早朝から歩道閉鎖を解除するとともに、同日の宿泊分からキャンプ場のテント利用を再開いたします。
この事故を受けて、事故現場周辺の歩道を閉鎖するとともに小梨平キャンプ場のテントの利用を禁止する措置を実施しておりました。この度、被害者への事故状況の聞き取り、周辺の状況確認、安全対策のための歩道周辺のササ刈りなどを行うこととし、対策に目処が立ったことから、9月30日(土)早朝から歩道閉鎖を解除するとともに、同日の宿泊分からキャンプ場のテント利用を再開いたします。
1.事故の状況
クマとの遭遇状況について、けがをされた方から聞き取りを行った結果、岳沢湿原の木道上を明神池方面にひとりで歩いていたところ、クマが歩道脇の茂みから現れ、突進してきた後に、もみ合いとなり、けがをされたとのことでした。
2.周辺の確認状況
28日に関係者により事故現場周辺の確認を行いましたが、クマの誘引物となりそうな食べ物や執着しそうな物などは見つかりませんでした。今回の事故原因について、専門家からは「森林内を移動していたクマが公園利用者とたまたま鉢合わせとなった際、クマがとった威嚇突進行動(ブラフチャージ)により、公園利用者とぶつかってもみ合いになってしまったことで、クマがより興奮して発生した突発的な事故と想定される」との見解を得ました。
※ 威嚇突進行動(ブラフチャージ):クマが自己防衛として威嚇のため突進し、相手に接触する前に立ち止まり後退する行動。本気の攻撃ではないため、物理的な接触は伴わないことが多い。
3.安全対策
事故現場周辺は歩道沿いにササが繁茂して見通しが悪いことから、関係者と協議してササの刈り払い等を実施することにしました。また、当面の間、歩道周辺に動物撮影用のセンサーカメラを設置してモニタリングを実施します。
今回の事故の発生した状況なども踏まえて、上高地を訪れる公園利用者への普及啓発をより一層進めていきます。
今回の事故の発生した状況なども踏まえて、上高地を訪れる公園利用者への普及啓発をより一層進めていきます。
4.歩道の開通、小梨平キャンプ場のテント利用再開
上記の状況を踏まえて、9月30日(土)早朝から梓川右岸歩道の閉鎖を解除するとともに、同日の宿泊分から小梨平キャンプ場のテント利用を再開いたします。
5.上高地を訪れる方へのお願い
上高地は素晴らしい山岳景観が広がる観光地であるとともに、クマやサルなどの野生動物が生息する場所でもあります。歩道を散策する際は、事前に人が近づくことをクマに知らせるために、クマ鈴を携帯するなどの対策が重要です。
また、単独での散策や悪天候時、夕方から早朝の時間帯、見通しの悪い場所などは、クマと遭遇する危険性が高くなりますので、十分注意するようにお願いいたします。
また、単独での散策や悪天候時、夕方から早朝の時間帯、見通しの悪い場所などは、クマと遭遇する危険性が高くなりますので、十分注意するようにお願いいたします。
参考
上高地インフォメーションセンターのホームページ内には、上高地内において報告されたクマ目撃情報
(https://www.kamikochi-vc.or.jp/know/bear-map.html)を掲載しております。
(https://www.kamikochi-vc.or.jp/know/bear-map.html)を掲載しております。
添付資料
お問い合わせ先
信越自然環境事務所国立公園課
(直通:026-231-6572)
国立公園企画官:岸 秀蔵
(直通:026-231-6572)
国立公園企画官:岸 秀蔵