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信越自然環境事務所

報道発表資料

2023年07月19日
  • その他

「北アルプス山岳域 利用ルール」の作成について(シンポジウム「北アルプス山岳利用サミット~令和時代の山岳利用について考える~」の動画配信について)

 中部山岳国立公園(北アルプス)のとりわけ山岳域の保護と利用を将来にわたり両立し続け、安全に楽しんでいただくため、北アルプス山小屋協会と連名で「北アルプス山岳域 利用ルール」を作成しましたので、お知らせします。

1 「北アルプス山岳域 利用ルール」作成の背景について

 昨今、コロナ禍によるアウトドアブーム、またコロナ前から続くインバウンド観光により、山岳未経験者の利用が増加してきています。登山をはじめとした山岳を楽しむ利用者が増加することは、山岳関係者として歓迎しています。
 一方、山岳利用のルール(法令・条例による規制、土地所有者、地域の独自ルール、信仰によるものなど)に関する十分な知識なく利用することによる遭難や他利用者・関係者とのトラブルなどの発生が危惧されています。北アルプス一帯はほぼ中部山岳国立公園に指定されているため景観・動植物保護などに関する規制があり、また標高や地形などから高い登山技術などを要することから、関係自治体・関係団体など様々な主体から山岳利用ルールが出されていますが、受入側からの呼びかけのみでは限界があります。
 山岳地に限らず、世界的な潮流として、観光地域作りにおいては、利用者参加型の観点が基本事項として認識されつつあるところ、北アルプスにおいても受入側と訪問側が協働した山岳利用を目指していきたいと考えています。
 そのため、令和時代の山岳利用について関係者と目指す形について議論しつつ、一般の方にもより良い山岳利用の協力者になっていただくことも狙いの一つとしたシンポジウム「北アルプス山岳利用サミット~令和時代の山岳利用について考える~」を、環境省中部山岳国立公園管理事務所及び北アルプス山小屋協会が共同主催者となり令和5年3月23日(木)に開催しました。当シンポジウムでは、登壇者からの課題提起やパネルディスカッションを行い、今後の山岳利用について、受入側と訪問側が考える機会を作ることができたと考えています。
 シンポジウムの場で、北アルプスの保護と利用を将来にわたり両立し続け、安全に楽しんでいただくための「北アルプス山岳域 利用ルール(案)」を発表し、この度、内容が固まったため、お知らせいたします。

※シンポジウム登壇者
 ・五十嵐 雅人(株式会社山と溪谷社 編集長)
 ・佐藤 泰那(株式会社ADDIX 執行役員 総編集長)
 ・武田 祐也(長野県警察山岳遭難救助隊松本班班長)
 ・佐伯 賢輔(北アルプス山小屋協会 会長、天狗平山荘主人)
 ・佐々木 泉(黒部観光旅館組合 組合長、阿曽原温泉小屋 代表)
 ・山田 直(北アルプス山小屋友交会 会長、有限会社奥上高地横尾山荘 代表取締役)
 ・森川 政人(環境省中部山岳国立公園管理事務所長)
 ・仁田 晃司(環境省中部山岳国立公園管理事務所 国立公園保護管理企画官)

 シンポジウムの様子を中部山岳国立公園南部地域のYouTubeチャンネルにて配信しています。登壇者の方がそれぞれの立場から山岳利用の状況や、令和時代の山岳利用について目指す形を語ってくださっていますので、ぜひご覧ください。
 URL:https://www.youtube.com/@chubusangakunationalpark7343

2 「北アルプス山岳域 利用ルール」について

 1で記載のとおり、日本人のみならず外国人利用者にも国立公園の利用ルールを認識いただく必要があることから、日本語に加え、英・中(簡体・繁体)・韓の言語でも作成しました。
 構成は、前文と5つのルールで構成しています。5つのルールは、山岳域の現場で利用者と対面し、利用者指導・救助・登山道維持などを担う山小屋関係者と、現場で課題だと考えられる利用者の行動を踏まえ設定しました。

3 周知啓発について

 基本的には山小屋において利用者に周知することを想定していますが、山小屋によって規模や人員体制などが異なるため、周知啓発方法については、今後、北アルプス山小屋協会と協議しながら、継続的な取組になるよう努めていきます。
 なお、先行して北アルプス山小屋友交会の横尾山荘にて、令和5年7月19日(水)より、本ルールの趣旨を踏まえ、横尾山荘利用者(山荘宿泊・テント場利用者)全てに受付時に手渡しする運用を試行します。

4 関連する過去の報道発表

お問い合わせ先

中部山岳国立公園管理事務所:担当 上沼
(直通: 0263-94-2024)

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