季節のみどころ

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横山の四季「春」

春は新たな始まりの季節です。横山展望台周辺は常緑樹の森なので、春になると木々は葉を落とし新芽を出して活気を帯びます。薄い緑や黄色から深紅へのグラデーションが美しいタブノキヤマモモの新芽など、色とりどりの若葉で森が満たされます。

また、春は花の季節でもあります。3月と4月には、そよかぜテラスなど展望台周辺の森の中や、創造の森の桜園で各種のサクラが花を咲かせます。4月から5月頃にかけては、コバノミツバツツジの花が森を鮮やかなピンクに色付けます。ウバメガシの緑色の花も見られます。フジスミレの花も春の景色に彩りを加えています。

暖かくなってくると、横山の鳥と昆虫の活動が活発になります。メジロなどの鳥は、この時期特有の鳴き声でさえずり求愛します。ハルゼミが現れると、ゆっくりとしたリズミカルな鳴き声が加わります。

創造の森の沼や湿地にはシオヤトンボが現れ、沼の中ではアカガエルの卵からオタマジャクシが孵ります。

横山の四季「夏」

横山の夏は躍動感に満ちた季節です。空は深い青、森は鮮やかな緑に染まり、濃い空気にセミの鳴き声が響きます。横山展望台では、英虞湾(あごわん)から吹き込む涼風が蒸し暑さを和らげてくれます。また、遊歩道も木々の葉が日陰をつくります。

森の樹木の多くは、夏に花を咲かせます。白と黄色の花を咲かせるクチナシ、ピンク色の花のクサギ、穂状に白い花を咲かせるリョウブ、そして天空カフェテラスからほど近いところに咲くネムノキなどがあります。また、梅雨が近づくと、鮮やかなアジサイが開花します。あご湾展望台とみはらし展望台の間や、創造の森にアジサイの花を楽しめる場所があります。

暑くなると昆虫が活発に活動します。森の木々にはカブトムシクワガタなどの甲虫が生息しています。また、日本最大のオニヤンマや色鮮やかなオオシオカラトンボなどのトンボが獲物を求めて空を飛び交います。日中鳴き続けるセミたちの声が収まるのと入れ替わりに聞こえてくるヒグラシの物哀しい鳴き声は日本の夏に欠かせない風物詩です。

横山の四季「秋」

横山には、暖流である黒潮の影響で温暖な気候のため11月になるまで本格的な秋は訪れません。樹木の大部分は常緑樹ですが、少数の落葉樹が赤や黄色に紅葉します。

夏の霧と湿気が消え去るにつれ、空はうろこ雲に覆われ、高くなっていきます。頭上を行き交う渡り鳥に、冬に向けて南下するサシバの群れがあります。森の中ではチョウのアサギマダラも暖かい気候を求めて横山の森を通過していきます。

秋に花を咲かせる植物もあります。ビジターセンターから天空カフェテラスに向かう歩道の最初の部分で道沿いにピンク色の小さな花を咲かせているマルバハギもそのひとつです。また、秋になると、多くの木がドングリを落とします。それらを見てみると、様々な種類のドングリがあることに気づきます。

日没が近くなると、涼しく静かな秋の空気に乗ってキリギリスやコオロギの合唱が遠くまで聞こえてきます。また、秋はシカの繁殖期でもあるので、シカの鳴く声が聞こえることもあります。

横山の四季「冬」

冬は横山も寒くなりますが、霜や雪が降ることはあまりありません。冷たい北風が吹くときにも横山展望台では山が風よけになってくれます。

冬の空気は澄んでいることが多く、夏だと霞んで見える遠くの水平線がくっきりと浮かび上がり、展望台からはくっきりとした景色を楽しむことができます。晴れた日の朝には、遠くの富士山が見えることもあります。

冬になると落葉樹は葉を落とします。すると、餌を求めて木の間を移動する鳥たちが見えやすくなります。この時期、メジロ、エナガ、コゲラといった異なる種類の鳥たちが集団を作ります。野鳥観察に訪れる方々は、桜園の木々を見渡すことができる、創造の森の休憩舎をよく利用しています。展望台からは、冬にやってくるミサゴの姿を見ることもあります。

初冬には天空カフェテラスの近くでサザンカが花を咲かせますが、この花は寒くなるにつれ散ってしまいます。創造の森にはヤブツバキやヒイラギなど、冬に花を咲かせる植物が他にもあります。