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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

【室堂地獄谷】火山ガス安全対策救急救助訓練

2022年11月02日
一ノ枝亮輔
こんにちは。立山アクティブ・レンジャーの一ノ枝です。

立山室堂平の地獄谷では10月20日に立山室堂地区安全対策連絡協議会による、火山ガス安全対策救急救助訓練を行いました。立山管理官事務所では、協議会の事務局を担っています。

訓練内容は、火山ガス濃度が上昇し倒れた傷病者が発生したという想定のもと、室堂山岳警備隊や立山町消防本部、火山ガス監視員、山小屋等の各関係機関による救急救助、連絡体制の確認を行いました。

訓練は数日前に降った雪が残っており、室堂・立山周辺の山が雪化粧をしている状況の中、当日は晴天に恵まれ、開催することができました。
 
▲雪化粧がとても美しい立山
 
今回の訓練はエンマ台~雷鳥荘の間を登山者が通行中に、急激に濃度が高くなり、傷病者2名が発生したという想定です。一人は意識不明で、救助隊がストレッチャーを使用して搬送を行います。

▲ストレッチャーに乗せる準備中
 

▲ストレッチャーを使って搬送している
 

▲安全な場所までの搬送
 
傷病者の救助と並行して、関係機関への連絡網を回していきます。
万が一大きな災害が発生した際には、迅速に連絡を回して、他の利用者の方への周知、案内、誘導等が必要になるためです。

▲関係箇所への連絡
 
地獄谷は、依然として火山ガス濃度が高い状態が続いており、立入り禁止です。現在通行できる区間でも(特にエンマ台~雷鳥荘の間)、風向きやガスの噴出状況により強い臭気を感じることがあります。特に小さい子供や高齢者、妊婦、体調の優れない方などは影響を受けやすいので、十分に注意してご通行ください。
 

▲訓練終了後の意見交換会
 

自然は私たちに素晴らしい癒しをもたらしてくれますが、時に牙をむきます。その際に備えて、今回のような訓練等を活用しイメージを膨らましていきたいと思います。