ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2016年11月 4日

2件の記事があります。

2016年11月04日野反湖から北へ 秋というよりは冬

上信越高原国立公園 アクティブレンジャー則武 敏史

こんにちは、上信越高原(じょうしんえつこうげん)国立公園の志賀高原地区担当です。


志賀高原自然保護官事務所のある蓮池周辺(標高約1,500m)では、朝の気温が氷点下になる日があり、先日は積雪もありました。この時期には国道292号線(志賀草津道路)の渋峠は、凍結、積雪のため一時的な通行止めになることがあるのでご注意ください。なお、国道292号線の長野県山ノ内町陽坂ゲートから群馬県草津町天狗山ゲートまでの区間は、11月15日13時から冬期閉鎖となる予定です。


さて、10月25日は、群馬県中之条町の野反(のぞり)ダムから北へ、長野県栄村の渋沢ダムへ向かう道を歩きました。

<紅葉は終わっています。歩道はブナやダケカンバの落葉で覆われています。>


<落葉が終わり、咲いている花はないので、見るべきものがないように思われるかもしれませんが、足元を見てください。コケの胞子に朝露が付いてきれいでした。>


<同じく足元。北向き斜面を歩くようになると、霧氷の付いた葉が地表に落ちていました。>


<野反湖(のぞりこ)の奥に浅間山(あさまやま)>


<岩菅山(いわすげやま)から中ノ岳を経て烏帽子岳(えぼしだけ)付近の稜線。志賀高原は、この山並みの向こう側にある。>


では、歩道の状況です。

■刈払いが行われています。ただし、刈払われたササが歩道上に残っているところがあります。■ササや落葉に霜が付いていると滑りやすくなるので注意してください。

■水量の少ない沢をいくつか越えますが、対岸の歩道へ取付く場所に赤テープなどの目印はありません。視界の悪い時にそのまま沢を進むことの無いよう注意してください。

■「北沢」を増水時に渡渉する場合は注意が必要です。今回は水量が少ないので石伝いで靴を濡らすことなく渡渉できました。

<10月25日の北沢。この水量であれば石伝いで渡渉可能。>



なお、今回の登山口の野反ダムまでの道路(国道405号線の吾妻郡中之条町入山地内:和光原地区から野反湖まで)は、平成28年12月1日(木)午後3時から冬期閉鎖となります。ご注意ください。

また、この時期の登山は冬山に近い装備が必要となります。お気を付けてお出かけください。


<概略図。水色は湖、河川。茶色は国道、林道。魚野川流域は原生的な林がみられる。>

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2016年11月04日海の底を歩く ツキノワグマ

上信越高原国立公園 谷川 湯原敦子


清津峡へ行ってきました!

清津峡は、富山県の黒部や、三重県の大杉谷に並ぶ、日本三大峡谷の一つです。

清津峡があるのは、新潟県十日町市中里。

十日町市は、野外の様々な場所に芸術家の作品を展示し、
自然と芸術が融合している町です。

清津峡渓谷トンネル内は、清津峡の成り立ちや、周辺の自然を紹介した展示が所々にあり、
歩きながら、楽しむことができます。
















実はこの清津峡、地球の営みをダイナミックに感じられる場所なんです。

およそ1500 万年前~ 500 万年前、ここは、海の底。

1500万年前~700万年前には、サメも生息していたそう。















ホオジロザメの仲間「カルカロドン」




そして、約700万年前~500万年前には、海の中で、マグマが固まり、
この柱状節理ができたそうです。

見晴所の曲線が、まるで額縁のように。
岩肌の直線が際立ち、まさに、地球のアート。


紅葉の黄色、赤、岩肌の色、水の色・・・
色のコントラストが美しい・・・




・・・さてさて、約500万年前の海の底を
海だった時代から、約500万年後の平成28年4月吉日、トコトコと歩くツキノワグマ。
足をおいたその場所に、もしかしたら、サメの暮らしがあったかもしれません。

上の写真と同じ場所。
ツキノワグマの寿命は、約25年。
4月の あのツキノワグマは、
今、どこで、冬ごもりの準備をしているのでしょう。

無事、厳冬を越せますように ――――




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