2015年10月28日
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2015年10月28日『大正池誕生100周年記念企画展』の開催(上高地)
中部山岳国立公園 上高地 アクティブレンジャー 関口 拓司
だんだんと朝晩冷えるようになってきました。
穂高を見ると雪が積もり、カラマツの紅葉は見頃を過ぎ、冬がすぐ近くまできています。
さて、上高地インフォメーションセンターでは、1915年の焼岳の噴火によって誕生した大正池が、今年で100年を迎えることを記念し、『大正池誕生100周年記念企画展』を開催しています。
大正池は、その背後に写る穂高連峰あるいは焼岳の景色と合わせて、上高地を代表する美しい風景の一つです。この写真展では、大正池の成立以前から、成立後、現在に至るまでの流れを、写真、解説等で紹介した内容となっています。
インフォメーションセンターでは、シーズンを通して何らかの展示を開催していますが、今回が今シーズン最後の企画展となります。閉山まであと1ヶ月を切りました。上高地にお越しの際は是非、お立ち寄りください。
1.開催期間・時間
11月15日(日)まで
8:00~16:00
2.開催場所
上高地インフォメーションセンター2階(松本市)
〒390-1516 長野県松本市安曇上高地4468
3.入場
無料
4.大正池の写真募集
この企画展では、『あなたの思い出の大正池』と題しまして、皆様が大正池周辺で撮影した写真を自由に貼るコーナーを設けています。人、動物、自然など、大正池周辺で撮られたものならどんなものでも結構です。
印刷した写真を会場に直接お持ちいただくか、下記宛先まで郵送もしくはメールにてお送り下さい。その際、撮影日、撮影場所、思い出のエピソードを添えて頂けると幸いです。是非ご応募ください。
宛先
〒390-1516
長野県松本市安曇上高地4468 環境省上高地自然保護官事務所
メールアドレス RO-KAMIKOCHI@env.go.jp
問合せ先:上高地自然保護官事務所 Tel : 0263-95-2032
上高地を美しくする会の活動は遡ること52年前にスタートしています。
当時はゴミを置いていくのが当たり前だったそうで、登山道やキャンプ場などはゴミが大量に残されていたそうです。
1970年代のゴミの様子(自然公園財団・上高地支部提供)
左上から時計回りで山岳地帯・梓川河岸・バスターミナル周辺・収集状況
その状態を見かねた関係者による清掃活動が始まりで、登山道の清掃やゴミ持ち帰り運動など様々な活動を経て、関係者による日々の清掃もあり、今ではゴミのほとんどない上高地が維持されています。
清掃・ゴミ持ち帰りの啓発運動の様子(自然公園財団・上高地支部提供)
左上から時計回りで山岳地帯からの荷下ろし(人力)・ヘリによる荷下ろし・河童橋周辺における清掃・河童橋周辺での普及啓発
近年はゴミの持ち帰りも浸透し、美しい上高地になっていますが、美しくする会の活動は毎年5月から10月まで隔週で、清掃だけでなく歩道の維持管理や外来植物除去や支障木の整理など、活動の幅を広げて続いています。
今年の活動の様子
左上から時計回りで、歩道整備(草刈り)・外来植物除去・集合(雨天でも決行です)・ゴミ拾い
また、様々な活動の中で、年1回、参加者の交流も兼ねて清掃登山が開催されます(今年は焼岳でした)。
普段山に登る人も登らない人も、声をかけあいながら、目的地を目指します。
道々に落ちているのは、飴の包装紙やティッシュなど小さなゴミがほとんどですが、岩陰などには酒瓶やら食品ゴミが隠されていました。
残念ながら、まだまだモラルの低い方もいらっしゃるようです。
晴天に恵まれ、最高の景観の中、山頂まで足を伸ばしたメンバーで記念撮影。
焼岳北峰から上高地を俯瞰
紅葉も終わりを迎え、冬の到来を予感させる寒さが忍び寄る中、今年最後の活動は落葉清掃でした。
木道の落葉清掃の様子
掃いても掃いても落ちてくる葉との格闘も終わりに近づき、寒さと晩秋の凜とした空気感のなか、今度は霧氷や雪といった白の世界が確実に近づいています。
今朝方までの雨は、稜線では雪となったようで薄い雪化粧の穂高連峰に見守られながら今年の活動も終わりとなりました。
来年も引き続き、より良い上高地となるよう皆で頑張っていきます。