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中部地方環境事務所

三重県鳥羽市のゼロカーボンパークの登録について

 環境省では、国立公園の脱炭素化に向けて、令和3年3月から、「ゼロカーボンパーク」の取組を始めています。
 この度、令和6年2月27日付で三重県鳥羽市が全国で13番目、伊勢志摩国立公園では志摩市に次いで2番目のゼロカーボンパークに登録されましたので、お知らせします。
 鳥羽市では、ゼロカーボンパークとして、サステナブルな観光地づくり、環境問題への意識啓発、産官学連携による地域脱炭素の取組、低炭素・環境に配慮した交通網の利用促進などに取り組んでいくこととに取り組んでいくこととしています。
 中部地方環境事務所では、これら鳥羽市のゼロカーボンパークの取組を支援してまいります。

 今般、ゼロカーボンパークとして登録されることとなった取組の概要は、以下のとおりです。

1 サステナブルな観光地づくりの推進

  • 鳥羽水族館における地域産再エネの活用、高効率空調やLEDの全館導入、電動車の活用
  • 鳥羽一番街内のテナントフロア天井、各飲食店、通路などの共有スペース、事務所などに2800台のLED照明、高効率空調設備の導入を行い、年間の消費電力量約62%を削減
  • 「鳥羽市エコツーリズム推進協議会」を中心に積極的にエコツアーを推進

2 環境問題への意識啓発

  • 鳥羽水族館において、水族館ならではのメッセージ性のある企画展示会などの開催を通じて普及啓発
  • 市内の一部のホテルにおいて、使い捨てプラスチックを減らす取組を進めており、宿泊客に脱プラスチックを啓発する機会を創出し、当該取組を地域全体へ展開
  • 漂着ごみをはじめとする環境問題をより多角的に触れる機会を創出するとともに、参加型で解決を目指すべく、地域ごとのごみ拾い活動の様子や成果を可視化するSNSピリカやタカノメ自動車版を導入

3 産官学連携による地域脱炭素の取組

  • 「海のシリコンバレー構想」を掲げ、産官学連携による藻場・干潟等の海洋生態系における「ブルーカーボン」への取組を推進
  • 民間企業と連携して藻場の実態調査プロジェクトを推進
  • 市内の漁場や養殖現場でIoTを活用した海況観測器によるデータ取得や、海の磯焼けによる藻場の減少・生態変化について、「水中ドローン」による撮影映像を用いた解析などの海洋DXを実施 

4 低炭素、環境に配慮した交通網の利用促進

  • 観光施設が近鉄鳥羽駅付近に集積している利点も活かし、「ゆっくりめぐろう」をキャッチコピーに、鳥羽市の公共交通の情報を集めた「とばマップ」を市HPで周知し、観光における公共交通の利用を促進
  • 離島との人の移動や物流、緊急医療など見据えドローンを活用した「空飛ぶクルマ」の実証実験を鳥羽市の鳥羽マリンターミナルにて実施

(参考)

〇鳥羽市と伊勢志摩国立公園
 三重県鳥羽市は、伊勢志摩国立公園が所在する4市町の一つで、市のほぼ全域が国立公園内にあります。令和4年12月にゼロカーボンシティの表明を行い、市内の脱炭素化やプラスチックごみの削減に積極的に取り組んでいます。
 
○ゼロカーボンパークとは
 ゼロカーボンパークとは、国立公園における電気自動車等の活用、国立公園に立地する利用施設における再生可能エネルギーの活用、地産地消等の取組を進めることで、国立公園の脱炭素化を目指すとともに、脱プラスチックも含めてサステナブルな観光地づくりを実現していくエリアです。
 国立公園をカーボンニュートラルのショーケースとし、訪れる国内外の人たち脱炭素型の持続可能なライフスタイルを体験していただく場作りを目指しています。
 環境省HP:https://www.env.go.jp/nature/post_134.html
 
○支援の枠組み
 環境省は、脱炭素化支援に係る予算等を活用して支援する他、中部地方環境事務所が鳥羽市と連携をとりながら伴走支援を行うことにより、鳥羽市の地域脱炭素化等の取組を後押しすることとしています。