名古屋港におけるヒアリの確認について
名古屋港におけるヒアリの確認について
平成29年6月27日に愛知県弥富市において港湾運送事業者により発見されたアリについて、専門機関による種の同定の結果、6月30日に特定外来生物であるヒアリ(Solenopsis invicta)と確認されましたので、お知らせします。当該ヒアリは、中国・広東省広州市の南沙港から出航した貨物船内のコンテナ(1個)の外部で発見されたものです。
発見時に確認されたすべての個体は、既に防除済みです。
ヒアリは、南米原産で体長は2.5~6㎜程度、体色は主に赤茶色のアリです。世界では北米や中国、フィリピン、台湾等にも外来生物として侵入・定着しています。これまで、日本では神戸市において確認されています。なお、環境省では、国土交通省の協力も得ながら全国7つの港湾区域で調査を行います。
1.経緯
当該ヒアリは、中国広東省広州市の南沙港から出航した貨物船内のコンテナ(1個)の外部で発見されました。
6/15 中国広東省広州市の南沙港を出港。
6/23 愛知県弥富市鍋田ふ頭に到着。
6/24 愛知県弥富市鍋田ふ頭にて陸揚げ。6/27まで保管される。
6/27 上記ふ頭の搬出ゲートにて輸入コンテナ搬出時のコンテナ外観チェック時にアリが港湾運送事業者により発見される(7匹)。発見したすべてのアリを殺虫処分。すべて死滅していることを確認し、サンプルを採取。
6/29 ターミナル管理運営会社から中部地方環境事務所に報告。中部地方環境事務所からターミナル管理運営会社に対し、アリのサンプルの送付を依頼し、同日中部地方環境事務所に到着。専門機関に対し種の同定を依頼。愛知県に情報提供(愛知県を通じて弥富市にも情報提供済み)。
6/30 専門機関により、サンプルがヒアリであることを確認。
2.今回の確認された種について
確認されたヒアリは、既に同種が定着している中国広東省広州市から輸送されたコンテナの外部で発見され、また、現段階では他の貨物やコンテナが一時保管された場所の周辺からの発見情報はないため、コンテナ外部に少数個体が付着していた可能性が高いと考えられます。このため、現時点では、ヒアリが当該地域周辺に定着し繁殖している可能性は低いと考えられます。
3.今後の対応
当該コンテナで確認された個体は、初期対応の結果、発見された全ての個体が薬剤の噴霧により処分されました。
しかし、当該コンテナ以外にも付着していた可能性もあり、このため、現在、コンテナが一時的に留め置かれた地点(弥富市1カ所)の周辺において、殺虫剤を設置するとともに、捕獲トラップを設置し、ヒアリが侵入していないことを確認するための緊急調査を開始しました。
なお、愛知県、弥富市、名古屋港管理組合の関係機関、輸入業者等(※)に対しては、以下を依頼しています。
・今回使用した船舶や保管場所、倉庫、その他運搬車両等の関係者に当該生物の混入があったことを周知し、他に混入の恐れがないか確認を依頼すること
・今後同様なルートで製品を輸入する際に、当該アリその他の特定外来生物の付着・混入がないよう、現地の工場・保管場所・コンテナ置き場・積み出し港等の状況を把握し、対策を採ること
・環境省等が行う緊急調査に協力すること
(※)輸入業者のほか、運送業者、通関業者、港湾荷役業者。
また、環境省は、国土交通省の協力も得ながら、輸入コンテナ取扱量の上位6港(東京港・横浜港・名古屋港・大阪港・神戸港・博多港)と、ヒアリ分布地域である中国・台湾に近い沖縄県内の代表港湾である那覇港の計7港で、本日からヒアリに関する調査を行っています。結果がわかり次第、お知らせします。
(※)同行取材は調査の都合上ご遠慮願います。調査の様子の写真については、環境省より提供いたします。
4.情報提供のお願い
ヒアリは、攻撃性が強く、刺された場合、体質によってはアナフィラキシー・ショックを起こす可能性があります。世界各地に定着がみられることから、一旦定着すれば根絶することは困難となるため、侵入監視により、早期発見、早期駆除により定着前に根絶を図ることが極めて重要です。
当該名古屋港や既に発見されている神戸港に限らず、海外からの貨物や旅客が到着する港や空港においては同様にヒアリ侵入のリスクがあります。
地方自治体や駆除業者の方々につきましては、在来種ではないことを確認の上、ヒアリと思われる個体が発見された場合には、管轄区域の環境省地方環境事務所にご連絡ください。
連絡先URL:https://www.env.go.jp/region/index.html
ストップ・ザ・ヒアリ(ヒアリの特徴・生態・駆除方法・刺されたときの対処方法等の参考):https://www..env.go.jp/nature/intro/4document/files/r_fireant.pdf
※ヒアリは強い毒を持つため、生きた個体を素手で触らないようにしてください。
ヒアリを発見した場所