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【開催報告】シンポジウム「伊勢湾 森と海の未来」を開催しました
2010.05.07 中部地方環境事務所
生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の開催をひかえ、主に伊勢・三河湾流域の多様な生き物を社会共通の財産と捉え、それらと共存しながら豊かな営みを続けてきた地域づくりの知恵を見直し、生物多様性保全に向けた新たな取組のきっかけを提案することを目的とするシンポジウム「伊勢湾 森と海の未来」を開催しました。
当日は悪天候にも関わらず、一般市民の方を中心に約400名が参加しました!
開会挨拶
中部地方環境事務所長 市原信男
シンポジウムの実施に当たり、平成21年度に3回開催した有識者や関係機関による「生物多様性を支える市民・地域による戦略的地域づくりビジョン」策定のための意見交換会で挙げられた、以下の事項を紹介しました。
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- 生物多様性に関する伊勢・三河湾を取り巻く現状や課題のポイント
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- 本地域の市民等の生物多様性保全に係る積極的な取組
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- COP10において議論される「ポスト2010年目標」の日本提案を本地域に置き換えたこと
基調講演「社会的共通資本と生物多様性」
宇沢 弘文氏(東京大学名誉教授・日本学士院会員)
1970年代以降の地球規模の公害・環境問題に関する国際社会の動向や、「生物多様性を支える市民・地域による戦略的地域づくりビジョン」の基礎となっている「社会的共通資本」の考え方について講演をいただきました(要旨・詳細は添付資料参照)。
- パネルディスカッション「流域の人と自然がつながるために」
- コーディネーター:
- 片田 知行氏(中日新聞社岐阜支社長)
- パネラー:
- 清野 聡子氏(九州大学大学院)
亀井 浩次氏(藤前干潟を守る会)
丹羽 健司氏(矢作川水系森林ボランティア協議会) - 海の人:
- 鈴木 章氏(杣の杜学舎)
- 森の人:
- 犬飼 一夫氏(藤前干潟を守る会)
「生物多様性を支える市民・地域による戦略的地域づくりビジョン」を、流域全体で展開していくことを目指したパネルディスカッションが開催されました。
亀井氏と丹羽氏より、海や森・里の現状や取組の報告がありました。清野氏は、中部地方における自然資源利用の歴史を踏まえ、生物多様性の保全と持続可能な利用を可能にしてきた地域の知恵の重要性を指摘されました。また、シンポジウムに参加した海の人、森の人からそれぞれ流域内の人々が連携して課題を解決して欲しいという意見がありました(要旨・詳細は添付資料参照)。
- シンポジウム宣言
- パネルディスカッションでの議論をふまえて、以下の宣言文がコーディネーターの片田知行氏から示され、満場一致で採択された後、中部地方環境事務所市原所長に手交されました。
- 1
- 伊勢・三河湾流域の生物多様性について考えるための「場」に参加し、大きな「輪」をつくっていきます
- 2
- 伊勢・三河湾流域の再生に向けて、それぞれの場で行動します
- 3
- 伊勢・三河湾流域の生物多様性保全と再生のために、よりよい仕組みをつくります
- (詳細は添付資料参照)
各流域の活動団体や企業、
行政機関のパネル展示も開催されました。
参加者には、協賛企業から頂いた景品が
プレゼントされました。
- ~シンポジウム「伊勢湾 森と海の未来」~
- 日時:
- 平成22年3月6日(土) 13:00~16:15
- 場所:
- 愛知県産業労働センター ウインクあいち 大ホール
- 主催:
- 環境省中部地方環境事務所
- 共催:
- 中日新聞社
- 協賛:
- カゴメ株式会社、NEXCO中日本、ユニー株式会社
- ※「生物多様性を支える市民・地域による戦略的地域づくりビジョン」については後日公表する予定です。
添付資料
シンポジウム宣言(全文) [PDF 100KB]
シンポジウム記録(要旨・6ページ) [PDF 248KB]
シンポジウム記録(詳細・23ページ) [PDF 107KB]