中部地方のアイコン

信越自然環境事務所

報道発表資料

2022年08月15日
  • 報道発表
  • 結果報告

令和4年度に動物園から中央アルプスへ野生復帰させたライチョウの放鳥について

  環境省では、中央アルプスにおいてライチョウ個体群復活事業を進めています。8月10日に那須どうぶつ王国及び長野市茶臼山動物園で繁殖したライチョウ計22羽(雄成鳥1羽、雌成鳥5羽、雛16羽)の後期野生順化(高山環境でのケージによる野生順化)を終了し放鳥しました。
 今後は野生復帰させた個体や中央アルプスで繁殖した個体の生存状況について10月末までを目処にモニタリング調査を行っていく予定です。

1.動物園からの野生復帰個体数

那須どうぶつ王国:3家族計19羽(雌成鳥3羽+雛16羽)
茶臼山動物園  :雄成鳥1羽+雌成鳥2羽
2園合計22羽

2.放鳥結果

 8月10日に動物園から中央アルプスに個体を移送してから、駒ヶ岳周辺に設置したケージを用いて後期野生順化を行ってきました。これらの個体について以下の通り放鳥しました。
 放鳥の際には個体には4個の足輪(片足2個ずつ)を装着し、個体識別可能な状況にしています。ただし、体が小さい2家族目と3家族目の雛については右足に1つのみの簡易的な足輪を装着し、今後のモニタリング調査で再確認された際に足輪を付け替えます。
 なお、8月10日に動物園から中央アルプスに移送後、ケージ保護期間中に個体の死亡は確認されませんでした。
 
那須どうぶつ王国から移送した個体について
 1家族目 7月2日孵化の家族 雌親+雛7羽 8月13日 14時 放鳥
 2家族目 7月10-11日孵化の家族 雌親+雛4羽 8月14日 8時30分 放鳥
 3家族目 7月15-16日孵化の家族 雌親+雛5羽 8月14日 13時 放鳥
 
茶臼山動物園から移送した個体について
 雄成鳥1羽+雌成鳥2羽 8月12日 14時30分 放鳥

3.今後の予定

 7月14日時点では雄成鳥、雌成鳥、雛を合わせると中央アルプスで100羽を超えている可能性がありました。これらの個体数に今回野生復帰させた22羽を加えると120羽を超えますが、環境省では中央アルプスにおけるライチョウ野生復帰実施計画に基づき、次年度の6月の繁殖個体数(つがい数)を生息個体数の基準としているため、現時点で目標達成の可否については判断できません。
 野生復帰させた個体や中央アルプスで繁殖したライチョウの生存状況について、10月末までを目処に定期的なモニタリング調査を実施し報告する予定です。

お問い合わせ先

・中央アルプス現地での取り組みについて
信越自然環境事務所野生生物課 小林(026-231-6573)

・那須どうぶつ王国での取組について
那須どうぶつ王国 宮地 (028-777-1110)

・茶臼山動物園での取組について
長野市茶臼山動物園 田村(026-293-5167)

・ライチョウの生息域外保全事業及び動物園における野生復帰計画について
ライチョウ域外保全計画管理者(富山市ファミリーパーク) 秋葉(076-434-1234)