中部地方のアイコン

信越自然環境事務所

報道発表資料

2022年08月10日
  • 報道発表

令和4年度動物園から中央アルプスへのライチョウの野生復帰結果について

 環境省では、中央アルプスにおいてライチョウ個体群復活事業を進めています。8月10日に那須どうぶつ王国及び長野市茶臼山動物園で繁殖したライチョウ計22羽(雄成鳥1羽、雌成鳥5羽、雛16羽)を中央アルプスに移送し、後期野生順化を開始しました。
 生息域外で繁殖させたライチョウにおける野生復帰は今回が初めてとなります。
 移送した家族は中央アルプス頂上山荘周辺で1週間程度ケージ保護を実施し、現地環境に慣らした後、順次放鳥する予定です。

1.那須どうぶつ王国及び茶臼山動物園の繁殖状況について

▶ 令和4年度の繁殖状況(8月10日時点)

那須どうぶつ王国

1家族目 7月2日 8卵中8卵孵化 雛7羽 ▶野生復帰
2家族目 7月10~11日 8卵中4卵孵化 雛0羽
3家族目 7月14~15日 11卵中8卵孵化 雛6羽
*雛1羽が野生復帰に際した事前チェックを満たしていないため野生復帰は雌親+雛5羽 ▶野生復帰
4家族目 7月15~16日 8卵中6卵孵化 雛4羽 ▶野生復帰
その他雄成鳥2羽を飼育中
 

長野市茶臼山動物園

1家族目 他園から受精卵7卵を抱卵させたが7月6日抱卵放棄 ▶野生復帰
2家族目 7月15~16日 1家族目が放棄した卵のうち2卵が孵化 雛0羽 ▶野生復帰
その他雄成鳥2羽、雌成鳥1羽を飼育中
 

野生復帰合計数

那須どうぶつ王国 :雌成鳥3羽+雛16羽
長野市茶臼山動物園:雄成鳥1羽+雌成鳥2羽 合計22羽
 
▶ 動物園家族の移送結果
那須どうぶつ王国
11:10 那須どうぶつ王国 ヘリコプター発
12:41 黒川平 ヘリコプター着
長野市茶臼山動物園
10:25 長野市茶臼山動物園 車発
12:14 黒川平 車着
黒川平で2園の家族が合流後、天候判断のため待機
14:25 黒川平 ヘリコプター発
14:45 頂上山荘 ヘリコプター着
  その後15:08までにすべての個体を駒ヶ岳周辺に設置したケージに収容
  ケージ内ですべての個体が落ち着いていることを確認

2.今後の予定

 移送したライチョウについては中央アルプス駒ヶ岳周辺で1週間程度ケージ保護(=後期野生順化)を行い、放鳥後モニタリング調査を実施する予定です。7月14日時点では中央アルプスで繁殖が確認された17なわばりのうち13羽の雌で雛が孵化し、ケージ保護していた雛を含め少なくとも73羽の雛が確認されていました。8月に入ってからの雛数については現在調査中です。

お問い合わせ先

環境省信越自然環境事務所野生生物課 有山、小林(026-231-6573)
那須どうぶつ王国での取組について  宮地、中林(028-777-1110)
長野市茶臼山動物園での取組について 田村(026-293-5167)