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信越自然環境事務所

報道発表資料

2026年11月06日
  • 報道発表

令和8年度の室堂平仮設野営指定地の設置中止について

 立山室堂平における積雪期の野営利用による自然環境への悪影響や安全管理上の課題等を踏まえ、これまで11月25日~11月30日(室堂平周辺の宿泊施設の営業終了から立山黒部アルペンルートの冬季閉鎖までの閉山時期)に、室堂平周辺積雪期利用適正化協議会が設置してきた室堂平仮設野営指定地について、令和8年度は積雪量に関わらず、開設しないこととしましたのでお知らせいたします。
 これにより、11月25日~11月30日の間は立山室堂平周辺では野営(テント泊)はできないため、スキー・スノーボード等で室堂平を利用される方は、野営をせず、当日中に下山する日帰り利用をしていただきますようお願いいたします。

1.経緯

 積雪期に立山室堂平周辺を訪れる利用者の皆様の安全確保と自然環境保全のため、地域関係者で構成する「室堂平周辺積雪期利用適正化協議会」では、積雪後~11月30日までの「室堂平の積雪期利用ルール」を策定し、適正利用を呼び掛けてきました。
 環境省では、平成23年度から、積雪期の室堂平における無秩序な幕営によるし尿・ゴミの放置や安全管理上の課題に対応する臨時的な措置として、一定の積雪量が見込まれた場合に限り、室堂平の宿泊施設(山小屋等)の営業終了日から立山黒部アルペンルートの営業終了時期までの11月25日~11月30日の間、室堂平慰霊塔付近に仮設野営指定地を設置する運用を開始しました。
 しかしながら、仮設野営指定地の設置以降も、し尿・ゴミの放置等が例年確認されており、悪天候時の安全管理を含めた対応、利用者の集中等の課題が顕在化したため、見直しを行うこととしました。

2.利用実態と課題

室堂平仮設野営指定地の利用実態と課題は主に以下の通りです。
  • 仮設野営指定地の利用者が集中し、令和7年度には日最大約120張を確認。指定区域の範囲を無断で拡張することや、区域外でテントを設営しようとする事案が確認されている。
  • 野営利用者によるごみ・し尿の残置、土壌の掘り起こし、室堂ターミナル内での無断の火気使用や宿泊等、不適切な利用が確認されている。
  • 室堂ターミナルから仮設野営指定地までの区間で、荒天による救助要請や、野営困難を理由とするターミナル内への避難・宿泊が生じている。
  • 十分な冬山装備を持たない野営利用者が確認されており、今後、SNS等により、安易に利用できると思いこんだ人が増加することが予想され、安全管理上の課題がある。
 
ゴミ1 ゴミ2
ゴミの一例① ゴミの一例②
排泄物1 排泄物2
排泄物の跡① 排泄物の跡②
仮設野営指定地の様子① 仮設野営指定地の様子②

3.室堂平仮設野営場を設置しないこととした主な理由

 これまでの利用実態を踏まえ、自然環境の保全、利用環境の維持、利用者の安全確保の観点から、室堂平周辺の積雪期利用に関する主要な関係行政機関及び事業者が協議を行い、冬季(11月25日~11月30日)の室堂平(雷鳥沢野営場含む)における野営利用(テント泊)を禁止し、日帰り利用を推進する方向性を確認いたしました。
 これを踏まえ、11月25日~11月30日(室堂平周辺の宿泊施設の営業終了から立山黒部アルペンルートの冬季閉鎖までの閉山時期)に設置してきた、室堂平仮設野営指定地につきまして、令和8年度は積雪量に関わらず、開設しないこととしました。
 
  <具体的な理由>
  • 立山ホテルの閉鎖に伴い、悪天候時の代替・避難先となる宿泊施設がないこと。
  • 野営利用者によるゴミやし尿等の放置、土壌の掘り起こし、室堂ターミナル内での無断使用などの不適切な利用実態が改善されなかったこと。
  • 近年では、冬山装備を持参せず「雪のかまくら」を作って野営するような安全管理意識が低い利用者も確認されており、技術や意識の低い方が利用に訪れている状況であること。
  • 今年10月に雷鳥沢野営場で収容能力を大幅に超える利用集中が発生しており、同様の事態が室堂平で生じた場合、現行の体制では対応できないこと。
  • 室堂ターミナル~仮設野営指定地の区間において、荒天により救助要請を受ける、又は野営が困難を理由に室堂ターミナル内で宿泊する方がみられるなど、安全管理上、遭難救助などが困難な時期であること。
<野営禁止の根拠>
参考①:自然公園法第20条第3項(工作物の新築、改築、増築)
テントの設置は仮工作物の新築に該当し、事前許可が必要。なお、雷鳥沢野営場の営業期間内におけるテント設置は公園事業施設であることから違法ではありません。
参考②:自然公園法第37条(利用のための規制)
ごみそのほかの汚物等の放置の禁止。
参考③:国立公園集団施設地区等管理規則
     第4条1号(土地の使用又は占用)、
     第6条8号(野営禁止)、
        12号(ゴミ・汚物・廃物を捨てることの禁止)
        13号(大小便の禁止)
室堂平のうち主な利用エリアは国立公園集団施設地区に指定されており、同地区内の環境省所管地では、国立公園集団施設地区等管理規則により、土地の管理権に基づき以下を禁止しています。
 

4.室堂平の積雪期(積雪後~11月30日)利用ルールについて

 この時期の室堂平は、厳冬期に近い気象条件にあり、2010年以降、3件の雪崩による死亡事故が確認されています。利用にあたっては、冬山に対する知識と技術が必要であること、地獄谷立入禁止区域等の立入規制区域が設定されていることに留意して下さい。また、絶滅のおそれのあるライチョウが生息しているとともに、雪の下では高山植物が越冬しています。訪れた皆さまの安全と自然環境保全のために、以下のことをお守りください。

(1)立入禁止区域があります。ルールマップで必ず確認してください。
 ・ 地獄谷立入禁止区域
地獄谷は噴気活動が継続しており、風向きによっては地獄谷周辺でも火山ガス 濃度が高くなる危険性があります。また、地獄谷内の雪面下には火山ガスが充満しており転落すれば死亡事故に至るおそれがあります。
 ・除雪作業区域
作業車両との接触や道路への滑走のおそれがあります。
 ・ ライチョウ保護区域
この時期は、風雪の影響が少ない斜面の植生帯がライチョウの重要なエサ場となっています。このため、スキー、スノーボードの滑走、写真撮影等により利用者がライチョウに過度に近づくことで影響を及ぼすことが懸念されています。

(2)ハイマツなどの植生帯に踏み込まないでください。

(3)登山者、スキーヤー、スノーボーダーは、以下のことも必ずお守りください。
・富山県では、立山室堂地区山岳スキー等安全指導要綱に基づき入山届の提出が義務 化されています。Compass又は室堂ターミナルで必ず提出してください。
 ・雪崩ビーコン、プローブ、ショベルを携帯してください。
 ・携帯トイレを携行してください。
 ・雪面硬化剤や融雪防止剤などの薬剤は使用しないでください。
 ・山岳保険に加入しましょう。

(4)その他
・急激な天候の変化に備えるため、必ず防寒着や雨具を持参してください。
・ドローンによる飛行・撮影については、以下の内容を確認の上、必要な手続きを行ってください。他の公園利用者や、希少な野生動物の生息に支障が無いよう、時間帯や飛行場所に十分配慮の上、ご使用願います。
・登山者やスキーヤー、スノーボーダー等の利用者によって放置されたし尿やゴミが毎年確認されています。これらの行為は、自然公園法第37条第1項第1号に違反するおそれがあり、30万円以下の罰金に処されることがあります。立山の自然環境や環境衛生面の観点より、必ず携帯トイレをお持ちください。使用済みの携帯トイレは室堂ターミナル内で回収を行っています。
・上記のとおり、雷鳥沢野営場は10月31日~翌年4月下旬まで冬期閉鎖しており室堂平周辺でのテント泊はできません。室堂平の山小屋は11月24日まで営業しておりますので、この期間の宿泊は山小屋をご利用ください。

お問い合わせ先

環境省立山管理官事務所 内野 (Tel 076-462-2301)