報道発表資料
2025年05月28日
- 報道発表
- 結果報告
野生ライチョウの精子を用いた人工授精事業の実施と野生雄1個体の死亡事故発生について
環境省と(公社)日本動物園水族館協会(以下、JAZA)は、平成26年に締結した「生物多様性保全の推進に関する基本協定」に基づき、ライチョウ保護増殖事業の一環として、乗鞍岳の野生の雄のライチョウから精子を採取し、飼育の雌個体に人工授精する事業を実施しました。
野生雄4個体から精子を採取することができ、5月21日に富山市ファミリーパークの雌2個体へ、5月22日に恩賜上野動物園の雌1個体へ、5月23日に横浜市繁殖センターの雌1個体へ人工授精を行いました。
本事業において、5月22日に精子を採取した雄1個体が採精作業中に死亡する事故が発生したため、現在、詳しい発生原因について調査を行っています。今後、原因究明を進め、手法の検証も含めて、専門家とともに再発防止に取り組んでいきます。
野生雄4個体から精子を採取することができ、5月21日に富山市ファミリーパークの雌2個体へ、5月22日に恩賜上野動物園の雌1個体へ、5月23日に横浜市繁殖センターの雌1個体へ人工授精を行いました。
本事業において、5月22日に精子を採取した雄1個体が採精作業中に死亡する事故が発生したため、現在、詳しい発生原因について調査を行っています。今後、原因究明を進め、手法の検証も含めて、専門家とともに再発防止に取り組んでいきます。
1.事業の目的
野生個体からの精子採取及び人工授精は、野生集団への影響を最小限にしながら生息域外集団へ新たな遺伝子を導入することを目的として、生息域外保全の新たな技術開発を目指し令和6年度から実施しています。
2.実施機関
これまで人工授精技術の開発に取り組んできた恩賜上野動物園、横浜市繁殖センター及び富山市ファミリーパークの職員らJAZA加盟園館職員と環境省職員らが、5月21日から23日の期間を予定し、共同で実施しました。
3.実施結果
令和7年5月21日、22日に乗鞍岳に生息する雄計5個体から精子採取を試み、4個体で成功しました。これら精子を21日に富山市ファミリーパークで飼育している2個体に、22日に恩賜上野動物園で飼育している1個体に、23日に横浜市繁殖センターで飼育している1個体を対象に人工授精を行いました。しかし、5月22日に精子を採取した雄1個体が作業中に死亡したため、作業を中止し、事故の検証を行っています。
4.個体死亡の経緯
(1)現時点で推定される死亡原因
外見に異常は認められず、解剖の結果、心臓の肥大や心筋の白色変性などの心機能低下を示す所見があり、以前から心臓に疾患があったことが推測されました。こうした要因も含めて、採精作業により個体に負荷がかかりショックを起こしたことが原因である可能性があります。
(2)今後の対策
研究機関に病理検査を依頼し、死因を精査する予定です。また、作業による個体への負荷を最小限にするために、改めて専門家の指導のもとに手法の検証を行っていきます。
(3)次年度の事業について
今年度中に開催される令和7年度ライチョウ保護増殖検討会にて専門家の意見を踏まえ決定します。
外見に異常は認められず、解剖の結果、心臓の肥大や心筋の白色変性などの心機能低下を示す所見があり、以前から心臓に疾患があったことが推測されました。こうした要因も含めて、採精作業により個体に負荷がかかりショックを起こしたことが原因である可能性があります。
(2)今後の対策
研究機関に病理検査を依頼し、死因を精査する予定です。また、作業による個体への負荷を最小限にするために、改めて専門家の指導のもとに手法の検証を行っていきます。
(3)次年度の事業について
今年度中に開催される令和7年度ライチョウ保護増殖検討会にて専門家の意見を踏まえ決定します。
5.(参考)令和6年度の実施状況
令和6年5月25日及び26日に乗鞍岳の野生雄から採取した精液を用いて富山市ファミリーパークで飼育している雌5個体に人工授精を行いました。これら5個体から得られた12卵を人工孵化し、6月28日に2羽の孵化が確認され、国内初事例となりました。
※JAZAや動物園での取り組みにつきましては(公社)日本動物園水族館協会 生物多様性委員会 ライチョウ計画管理者 秋葉由紀 (富山市ファミリーパーク 電話:076-434-1234)までお問い合わせください。
お問い合わせ先
環境省信越自然環境事務所 野生生物課 福田
TEL:026-231-6573
TEL:026-231-6573