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信越自然環境事務所

報道発表資料

2024年08月05日
  • 報道発表
  • 結果報告

令和6年度中央アルプスにおけるライチョウのケージ保護事業実施結果について

 6月27日からケージ保護事業を開始し、7月30日をもって同事業を終了したのでお知らせします。
 7月5日までに3家族計21個体(雌成鳥3個体、雛18個体)を保護し、そのうち13個体(雌成鳥3個体、雛10個体)を放鳥しました。
 今後は雛の生存状況調査と捕食者等対策を継続していく予定です。また、今年動物園で孵化した雛の野生復帰を9月中旬に予定しています。

1.中央アルプスにおける過去のケージ保護事業の結果

令和2年
8月上旬に乗鞍岳から移送した3家族(雌親3個体+雛16個体)を1週間程度保護した後放鳥しました。
令和3年
中央アルプスで生まれた雛のケージ保護はこの年から開始しました。
6月下旬から8月上旬まで5家族(雌親5個体+雛37個体)保護し、3家族(雌親3個体+雛19個体)を放鳥、2家族(雌親2個体+雛9個体)を動物園へ移送しました。
令和4年
6月下旬から7月下旬まで7家族(雌親7個体+雛40個体)を保護し(1週間程度の短期的な保護も含む)、雌親7個体と雛35個体を放鳥しました。
8月中旬には那須どうぶつ王国から3家族(雌親3個体+雛16個体)と茶臼山動物園から雌成鳥2個体、雄成鳥1個体の合計22個体を中央アルプスに野生復帰させ1週間程度ケージで保護した後放鳥しました。
令和5年
6月下旬から7月下旬まで6家族(雌親6個体+雛30個体)を保護し、雌親6個体と雛28個体を放鳥しました。
9月下旬には令和3年に中央アルプスから動物園に導入した那須どうぶつ王国の雄1個体、茶臼山動物園の雄・雌それぞれ1個体の計3個体を野生復帰させました。

2.令和6年度の中央アルプスにおけるケージ保護事業の結果

 6月27日から平成30年に飛来が確認された飛来雌も含めた雌3個体の家族を保護しました。3家族の雛はそれぞれ6個体で、合計18個体の雛を保護しました。7月29日までにこれら3家族すべてを放鳥しました。放鳥時の雛数は3個体の家族が2つ、4個体の家族が1つの計10個体でした。例年に比べると今年は雛の生存率が低かったのは、ケージ保護期間中の天候が悪かったことが影響したと考えられます。

3.今後の事業について

 今後は中央アルプス全体の雛の生存状況についてモニタリングを行います。9月頃からは今年生まれた雛への足輪装着を開始します。生存雛数の追跡及び足輪装着調査は、10月末から11月上旬まで行うことを予定しています。ライチョウの捕食者等対策事業(捕食者の捕獲及びニホンザルの追い払い事業)についても引き続き実施します。
 また、9月中旬には今年動物園で生れた雛の野生復帰を計画しています。野生復帰させる個体は、今後の雛の生存状況や野生復帰に向けた検査の結果によって決定します。野生復帰については詳細が決まり次第ご連絡いたします。

お問い合わせ先

環境省信越自然環境事務所 野生生物課 小林
TEL:026-231-6573