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信越自然環境事務所

報道発表資料

2024年07月08日
  • 報道発表

令和6年度中央アルプスにおけるライチョウの生息個体数及びケージ保護状況について

 今年4月下旬から開始された中央アルプス全域におけるライチョウの生息個体数調査によって、約60のなわばりが確認されました。生息個体数は少なくとも120個体以上となる見込みです。
 今回の生息個体数調査では、令和4年に野生復帰させた22個体については、6個体、令和5年に野生復帰させた3個体については、すべての個体が確認されました。
 6月27日からケージ保護が開始され、7月5日までに3家族計21個体(雌成鳥3個体、雛18個体)を保護しています。このうち1家族は平成30年に中央アルプスで約50年ぶりに発見された雌個体が母親の家族です。

1.中央アルプスにおけるこれまでの事業概要

平成30年7月
登山者から雌1個体の情報が環境省に寄せられました。
令和2年4月
「第二期ライチョウ保護増殖事業実施計画」が策定され、中央アルプスにおける個体群復活事業が計画内に明記されました。
令和2年6~8月
動物園からの卵による野生復帰(孵化後全羽死亡)及び乗鞍岳からの家族移植(3家族19個体)を実施しました。
令和3年6~8月
中央アルプスで孵化した雛のケージ保護を開始しました(1年目)。
那須どうぶつ王国及び茶臼山動物園へ中央アルプスからの家族導入(2家族11個体)を実施しました。
令和4年6~8月
中央アルプスで孵化した雛のケージ保護を実施しました(2年目)。
那須どうぶつ王国及び茶臼山動物園から22個体(雛16個体、成鳥6個体)を野生復帰させました。
令和5年6~8月
中央アルプスで孵化した雛のケージ保護を実施しました(3年目)。
那須どうぶつ王国及び茶臼山動物園から成鳥3個体を野生復帰させました。

2.生息個体数(毎年春時点での個体数)について

<これまでの個体数の変化>
平成30年から令和2年
1個体
令和3年
推定18個体(8なわばり)
令和4年
推定41個体(17なわばり)
令和5年
推定83個体(32なわばり)

<令和6年の調査結果>
 令和6年4月下旬から7月5日までの生息個体数調査により、宝剣岳から北部地域で30前後、中南部地域で30前後の計約60なわばりがあることが明らかになりました。生息個体数としては120個体以上になる見込みです。
 野生復帰させた個体では、令和4年に野生復帰させた22個体については、令和5年に10個体が確認され、今年はこれまでに雌5個体、雄1個体の計6個体が確認されています。令和5年に野生復帰させた雄2個体、雌1個体についてはすべての個体の生存が確認されています。
 これまでの保護事業により個体数が増加したため今年は調査に時間がかかっており、最終的な数の決定は秋以降になる見込みであり、これらの数字はあくまで暫定的な数字となります。

3.ケージ保護状況

 6月27日からケージ保護を開始し、現在3家族(雌成鳥3個体+雛18個体)を保護しています。この雌成鳥のうち1個体は平成30年に中央アルプスで最初に発見された雌個体です。
A家族
6月27日ケージ収容 雛6個体
B家族
6月29日ケージ収容 雛6個体
C家族
6月29日ケージ収容 雛6個体

4.今後の事業について

 今後も中央アルプス全域の生息個体数調査を継続し、より正確な生息個体数の特定や野生復帰個体の生存状況の確認に努めます。ケージ保護については7月末まで現在の家族の保護を継続していく予定です。また、サルの追い払いや捕食者対策についてもケージ保護期間を中心に実施します。

5.ケージ保護事業の報道対応について

 現在保護している3家族について、現地取材を行うことが可能です。ただし、取材については現在運行が中止されている中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイが再開されて以降を想定しています。取材を希望する社については以下の連絡先まで7月16日(火)17時までに社名、取材人数、代表者の連絡先を連絡してください。なお、希望社が複数社の場合は同一の日に対応を行う見込みです。

連絡先:環境省信越自然環境事務所 野生生物課 小林
TEL:026-231-6573 E-mail:NCO-NAGANO@env.go.jp

お問い合わせ先

環境省信越自然環境事務所 野生生物課 小林
TEL:026-231-6573