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信越自然環境事務所

報道発表資料

2024年03月01日
  • 報道発表

立山町(中部山岳国立公園内)のゼロカーボンパークの登録について

 環境省では、国立公園の脱炭素化に向けて、令和3年3月から、「ゼロカーボンパーク」の取組を始めています。
 この度、中部山岳国立公園内、富山県立山町が全国で14番目(富山県初)のゼロカーボンパークに登録されましたので、お知らせします。
 立山町では、ゼロカーボンパークとして、自然環境に配慮した脱炭素の取組、エリア全体の脱炭素化を進める取組、サステナブルな観光地づくり、国立公園利用者への普及啓発などに取り組んでいくこととしています。
 立山町の「立山」は、中部山岳国立公園の中央に位置し、立山や剱岳などの日本百名山にも数えられる3,000m級の名峰が連なり、世界有数の山岳観光ルート「立山黒部アルペンルート」やラムサール条約湿地に登録された立山弥陀ヶ原を多くの利用者が訪れる山岳観光地です。
 令和2年10月には、富山県で4番目(全国で157番目)にゼロカーボンシティの表明を行い、令和3年12月には「立山町ゼロカーボン計画」を策定し、脱炭素や脱プラスチックに積極的に取り組んでいるところです。
 今般、ゼロカーボンパークとして登録されることとなった取組の概要は、以下のとおりです。

1.持続可能な観光の推進

◆「立山黒部アルペンルート」:環境保全への取組
 ・マイカー乗り入れ禁止
 ・環境に配慮した乗り物(ハイブリッドバスやトロリーバス等)の採用
 ・観光客へ「ゴミの持ち帰り運動」やアイドリングストップを呼びかけ  
 ・地域関係者の協力による外来植物除去活動
 ・余分なゴミを発生させない、ゴミを公園内で燃やさない処理対策
◆(一社)立山町観光協会:CO2を排出しない移動手段の提案
 ・E-BIKE(電動アシスト付きマウンテンバイク)及び電動キックボードの貸し出し
◆登山利用
 ・山小屋事業における太陽光パネルの導入(真砂沢ロッジ等)
 ・活火山の地熱を活用した温泉(みくりが池温泉、雷鳥荘、雷鳥沢ヒュッテ)床暖房施設(雷鳥荘)
 ・山岳地における環境配慮型公衆トイレの整備(富山県)

2.公共施設の脱炭素化への取組

・太陽光発電導入(町内全小中学校(小学校6校、中学校1校)、立山町元気交流ステーション、浄水場(上水道管理センター)、白岩浄化センター、立山町総合公園等
・LED照明更新(直営保育所1箇所、公設民営保育所3箇所、小学校4校、中学校1校、町立公民館12箇所、体育館6箇所、その他4箇所)
・公用車や町営バスのEV化促進
・新築する(仮称)防災センター及び児童館は『ZEB』として整備

3.住民及び福祉生活に再エネを ~自家消費型再エネ推進~

・一般家庭へ:
太陽光発電導入対策(R4~屋根一体型の太陽光発電設備を導入した場合に固定資産税の減免措置)、高効率給湯器リース導入と併せた補助を実施
・特別養護老人ホーム竜ヶ浜荘や町内介護施設へ:
高効率空調、高効率給湯及びLED照明更新への支援
・平坦地観光の拠点「グリーンパーク吉峰」へ:
CO2排出量の削減、浴場用として木質バイオマス(ペレットボイラー)を導入

(参考)

○ゼロカーボンパークとは
 ゼロカーボンパークとは、国立公園における電気自動車等の活用、国立公園に立地する利用施設における再生可能エネルギーの活用、地産地消等の取組を進めることで、国立公園の脱炭素化を目指すとともに、脱プラスチックも含めてサステナブルな観光地づくりを実現していくエリアです。
 国立公園をカーボンニュートラルのショーケースとし、訪れる国内外の人たち脱炭素型の持続可能なライフスタイルを体験していただく場作りを目指しています。令和3年3月に、中部山岳国立公園の乗鞍高原エリア(長野県松本市)が全国で初めて登録されてから、本年2月の伊勢志摩国立公園(鳥羽市)まで13地区がゼロカーボンパークとして登録されています。
 環境省HP:https://www.env.go.jp/nature/post_134.html

○支援の枠組み
 環境省では、ゼロカーボンパークの実現に向けて、ゼロカーボンシティ支援に活用しているエネルギー対策特別会計予算及び自然公園等整備費等の既存予算をパッケージとして支援する他、信越自然環境事務所が立山町と連携をとりながら伴走支援を行うこととしています。

お問い合わせ先

環境省信越自然環境事務所
国立公園課 中山
電話番号:026-231-6572