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信越自然環境事務所

報道発表資料

2020年04月08日
  • その他

春の積雪期に立山室堂平周辺を訪れるみなさまへ

 中部山岳国立公園立山室堂平周辺では、近年、春の積雪期に立山室堂平周辺を訪れる利用者の増加や利用の多様化に伴い、雪崩やホワイトアウト等による遭難事故の発生、野生動物(特にライチョウ)及び植生への影響、し尿による環境汚染、地獄谷の噴気活動活発化による火山ガス中毒事故の発生等が懸念されています。

 訪れたみなさまの安全確保と自然環境保全のため、「室堂平の積雪期(春期)利用ルール」を策定・運用しています。以下のことを必ずお守りください。

1.室堂平の積雪期利用ルール

(1)以下の区域には立ち入らないでください。区域の詳細はルールマップで確認してください。

・地獄谷立入禁止区域

・除雪作業区域

・ライチョウ保護区域

(2)ハイマツなどの植生帯に踏み込まないでください。

(3)登山者、スキーヤー、スノーボーダーは、以下のことも必ずお守りください。

1.入山届を室堂ターミナルで提出してください。

2.雪崩ビーコン、プローブ、ショベルを携帯してください。

3.携帯トイレを携行してください。

4.融雪防止剤は使用しないでください。

5.山岳保険に加入しましょう。

2.経緯

(1)安全対策

 アルペンルートが室堂まで全線開通となる4月15日から雪解けまでの立山室堂平周辺は、厳冬期に近い気象条件にあり、雪崩や天候の急変による遭難事故の危険があります。利用にあたっては、冬山に対する知識と技術が必要です。
また、スキー、スノーボーダーが除雪作業区域に立ち入り、事故が発生するおそれがあります。

(2)ライチョウ及び植生保護

 室堂平周辺では絶滅のおそれのあるライチョウが生息しており、4月から6月下旬にかけては特にライチョウの繁殖に重要な時期です。スキー、スノーボードの滑走や写真撮影等によりライチョウに過度に近づくことで繁殖に影響を及ぼすおそれがあります。
また、雪の下では高山植物が越冬しています。スキー、スノーボードの滑走や写真撮影などで雪解けした植生に踏み込み、高山植物の生育に影響を与えるおそれがあります。

(3)し尿処理対策上

 スキーヤー、スノーボーダー、登山者や幕営者によって、雷鳥沢野営場や室堂平周辺にし尿が放置されるおそれがあります。

このようなことが懸念されることから、室堂平周辺の地域関係者及び関係行政機関等で構成する「室堂平周辺積雪期利用適正化協議会」*参考では、積雪期に立山室堂平周辺を訪れる利用者のみなさまの安全確保と自然環境保全のため、「室堂平の積雪期(春期)利用ルール」を策定・運用しております。

3.立山・地獄谷歩道の通行止め及び現道(エンマ台~大日展望台)の通行注意について

 地獄谷歩道は、地獄谷の噴気活動が継続しているため、平成24年から通行禁止にしています。現道上であっても、気象条件等により火山ガス濃度が高くなる場合があります。また、地獄谷周辺の雪面下には有毒ガスが充満しており、転落すれば死亡事故につながるおそれがあります。通行の際の注意点等は下記をご確認ください。

「立山・地獄谷歩道の通行止め及び現道(エンマ台~大日展望台)の通行注意について」

4.入山届について

 登山者、スキーヤー、スノーボーダーの方は「富山県登山届出条例」及び「富山県立山室堂地区山岳スキー等安全指導要綱」に基づき、入山届を提出して下さい。

事前に入山届を提出いただいた場合でも、室堂ターミナル内の入山安全相談窓口にて現地の情報を収集することをおすすめします。

 入山届が必要なエリアは室堂平周辺においてはルールマップ(青色のエリア)、広域においては下記HPをご確認ください。

富山県警察HP 登山計画書等提出先 http://police.pref.toyama.jp/cms_cat_police/108020/kj00018432.html

富山県山岳遭難対策協議会

https://toyamaken-sotaikyo.jp/

*参考

室堂平周辺積雪期利用適正化協議会

(1)設立

平成21年3月23日

(2)目的

積雪期の室堂平周辺における自然環境の保全、適正かつ安全な公園利用を推進するために必要な事項について、室堂平周辺の管理運営に係る関係主体が協議・合意形成を図ることを目的とする。

(3)会員

会長 立山町長

副会長 環境省信越自然環境事務所長

 ≪協議会員≫

環境省信越自然環境事務所、富山森林管理署、富山県自然保護課、富山県消防課、富山県観光課、富山県警察本部地域室、上市警察署、立山町商工観光課、立山町消防署、富山県道路公社、立山黒部貫光(株)、立山貫光ターミナル(株)、関西電力(株)黒四管理事務所、富山県立山荘、立山高原ホテル、立山室堂山荘、雷鳥荘、雷鳥沢ヒュッテ・ロッジ立山連峰、みくりが池温泉、天狗平山荘、ロッジくろよん、一の越山荘、剱御前小舎、剱沢小屋、剣山荘、富山県山岳連盟、立山山荘協同組合、 (公社)とやま観光推進機構、NPO法人富山県自然保護協会、NPO法人立山自然保護ネットワーク、富山雷鳥研究会、富山県スキー連盟、(公社)日本山岳ガイド協会

(計33機関)

○事務局 環境省中部山岳国立公園立山管理官事務所 076-462-2301

     富山県自然保護課 076-444-3398

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