報道発表資料
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乗鞍岳から中央アルプス駒ヶ岳へのライチョウ家族の移送の延期について
環境省では、7月23-26日に乗鞍岳から中央アルプス駒ヶ岳にライチョウ計3家族21羽(雌親3羽、ヒナ計18羽)をヘリコプターにより移送することを予定していましたが、7月23、24日が悪天候により移送ができず、25、26日も天候の回復が見込めなかったため延期することにしましたのでお知らせします。ライチョウ家族の移送は、天候の回復を待って来週以降に実施する予定です。
1.事業概要
環境省では、平成30年に約50年振りにライチョウの雌1羽が確認された中央アルプス駒ヶ岳において、令和2年4月に策定された「第二期ライチョウ保護増殖事業実施計画」に基づき、中央アルプスの個体群を復活させるための事業を進めています。この目的達成のため、7月23-26日に乗鞍岳から中央アルプス駒ヶ岳に計3家族21羽を移送することを予定していましたが、悪天候により移送を延期しました。
2.実施結果
(1)乗鞍岳から中央アルプスへの移送について
7月23日の午前5時から24日の午後3時にかけて、ヘリコプターにより乗鞍岳から中央アルプスへの移送を試みましたが、悪天候(降雨、霧、強風等)の状況からヘリコプターを発着させることができませんでした。なお、当初は7月25-26日を予備日としていましたが、天気予報から天候の回復が期待されなかったことから、同期間の移送を中止し、関係機関との調整の結果、来週以降に延期させることに決定しました。
(2)乗鞍岳における各ケージの状況
6月26日からケージ設置等を開始し、ケージ保護事業を実施してきました。7月24日現在、ケージ保護している3家族の詳細は以下のとおりです。
1)第1ケージ 雌1羽 ヒナ6羽
2)第2ケージ 雌1羽 ヒナ6羽
3)第3ケージ 雌1羽 ヒナ6羽(※)
※ これまでケージ保護を実施していた第3ケージの雌はケージから出して散歩中もヒナを呼び集めて家族をまとめることがうまくできず、また衰弱したヒナを抱雛しない等により、ケージ保護期間中に3羽のヒナを失いました。そのため、雌のみを放鳥し、新たに子育てを行っている別の家族(雌1羽、ヒナ4羽)を収容し、前の雌のヒナ2羽は新しい雌に育てさせることにしました。その結果、2羽のヒナは、新しい雌に受け入れられ、現在新しい雌が計6羽のヒナを育てています。なお、この対応は、これまでのライチョウ調査における野外観察から、ライチョウのヒナは雌親からはぐれた場合でも、他の家族に合流し、そのまま育雛されることが確認されていることを参考に判断しました。
3.今後の取組について
環境省では、現在、乗鞍岳においてケージ保護しているライチョウ3家族(21羽)について、来週以降にヘリコプターにより中央アルプス駒ヶ岳に移送を予定してします。移送後の3家族については、8月中旬に放鳥することを予定しています。また、放鳥後には、駒ヶ岳周辺におけるニホンザルのモニタリングやテン等の捕食者対策を行いつつ、ライチョウの生息状況について定期的にモニタリングを行う予定です。
(参考)ライチョウ保護増殖事業計画及び生息域内保全事業について
http://chubu..env.go.jp/shinetsu/wildlife/rockptarmigan.html
(環境省信越自然環境事務所ホームページ)
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