報道発表資料
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11月(積雪期)に立山室堂平周辺に訪れる皆様へ
中部山岳国立公園立山室堂平周辺では、積雪期における利用者の増加や利用の多様化に伴い、雪崩やホワイトアウト等による遭難事故の発生、野生動物(特にライチョウ)及び植生への影響、し尿による環境汚染、地獄谷の噴気活動活発化による火山ガス中毒事故の発生等が懸念されています。
そのため、地域関係者で構成する「室堂平周辺積雪期利用適正化協議会」*参考では、積雪期に立山室堂平周辺を訪れる利用者の皆様の安全確保と自然環境保全のため、利用上のルールを「室堂平の積雪期利用ルール(積雪後~11月30日まで)」として策定しています。
1.室堂平周辺における積雪期の問題
(1)安全対策
・悪天候時には厳冬期に近い気象条件にあり、雪崩やホワイトアウト等の天候の急変による遭難事故が発生するおそれがある。
・スキーヤー、スノーボーダー、登山者などが除雪作業区域に立ち入り、事故が発生するおそれがある。
・地獄谷は噴気活動が継続しており、風向きによっては地獄谷周辺でも火山ガス濃度が高くなる。また、地獄谷内の雪面下には有毒ガスが充満しており、転落すれば死亡事故に至るおそれがある。
(2)ライチョウ及び植生保護対策
この時期は、風雪の影響が少ない斜面の植生帯がライチョウの重要なエサ場となっている。このため、スキー、スノーボードの滑走、写真撮影等により利用者がライチョウに過度に近づくことで生態に影響を及ぼすことが懸念されている。
(3)し尿処理対策
スキーヤー、スノーボーダー、登山者や幕営者によって、雷鳥沢野営場や室堂平の植生上、登山道上にし尿やゴミが放置され、環境汚染が懸念されている。
2.室堂平の積雪期利用ルール(積雪後~11月30日)
(1)以下の区域に立ち入らないでください。区域は添付のマップで確認してください。
・地獄谷立入禁止区域
・除雪作業区域
・ライチョウ保護区域
(2)ハイマツなどの植生帯に踏み込まないでください。
(3)登山者、スキーヤー、スノーボーダーは、以下のことも必ずお守りください。
・入山届を室堂ターミナルで提出してください。
・雪崩ビーコン、プローブ、ショベルを携帯してください。
・携帯トイレを携行してください。
・融雪防止剤は使用しないでください。
・山岳保険に加入しましょう。
3.積雪期における室堂平周辺でのテント泊について
テント泊をされる方は、冬山に対する高度な知識と技術、十分な装備を持った上で自己責任のもと利用してください。雷鳥沢野営管理所は10月31日~翌年4月下旬まで冬期閉鎖します。野営場は使用可能ですが、トイレ、水場が使用できないため、携帯トイレを使用してください。なお、室堂平の仮設野営指定地は自然環境の保全のため、以下のとおり開設します。
●11月24日(日)まで
室堂平周辺での幕営はできません。
●11月25日(月)以降
幕営者の安全と、屎尿等による自然環境への影響を軽減するため、室堂平(慰霊碑周辺)に仮設野営指定地(ロープで区画された範囲)を設置します。なお、テント泊をされる方は、入山安全相談窓口(室堂ターミナル内)にて、レクチャーを受けていただきます。仮設野営指定地にはトイレはありませんので、携帯トイレを持参するか、室堂ターミナル内(ホテル立山売店、入山安全相談窓口)で購入してください。室堂ターミナル内で携帯トイレの回収もおこなっています。くれぐれも、屎尿を雪や物陰に隠して放置しないようにお願いします。
*参考
室堂平周辺積雪期利用適正化協議会
(1)設立
平成21年3月23日
(2)目的
積雪期の室堂平周辺における自然環境の保全、適正かつ安全な公園利用を推進するために必要な事項について、室堂平周辺の管理運営に係る関係主体が協議・合意形成を図ることを目的とする。
(3)協議会長 立山町長
協議会副会長 環境省信越自然環境事務所長
(4)協議会員
環境省信越自然環境事務所、富山森林管理署、富山県自然保護課、富山県消防課、富山県観光課、富山県警察本部地域室、上市警察署、立山町商工観光課、立山町消防署、富山県道路公社、立山黒部貫光(株)、立山貫光ターミナル(株)、関西電力(株)黒四管理事務所、富山県立山荘、立山高原ホテル、立山室堂山荘、雷鳥荘、雷鳥沢ヒュッテ・ロッジ立山連峰、みくりが池温泉、天狗平山荘、ロッジくろよん、一の越山荘、剱御前小舎、剱沢小屋、剣山荘、富山県山岳連盟、立山山荘協同組合、(公社)とやま観光推進機構、NPO法人富山県自然保護協会、NPO法人立山自然保護ネットワーク、富山雷鳥研究会、富山県スキー連盟、(公社)日本山岳ガイド協会(同不順 計35機関)
○事務局 環境省中部山岳国立公園立山管理官事務所 076-462-2301
富山県自然保護課 076-444-3398