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信越自然環境事務所

報道発表資料

2018年12月05日
  • その他

中央アルプス木曽駒ヶ岳のライチョウの生存確認について

中央アルプス木曽駒ヶ岳において、平成30年11月4日及び25日に一般登山者の撮影によりライチョウのメス1羽が確認されました。

1.目撃情報について

一般登山者2名から信越自然環境事務所共用メール(NCO-NAGANO@env.go.jp)に中央アルプスでの冬の羽毛に換羽したライチョウの目撃情報がありました。両氏ともに12月3日に写真の送付があり、信州大学名誉教授の中村浩志氏が確認したところ木曽駒ヶ岳で確認されていたライチョウのメス1羽であると推測されました。平成30年7月20日の確認以来、初の目撃情報となりメス個体が生存していることが確認されました。

(1)11月4日(日)7:00

確認者:一般登山者(47歳)(神奈川県川崎市)(写真クレジット:中田昌宏氏)

確認場所: 木曽駒ヶ岳中岳山頂

確認者よりいただいたコメント:

「中央アルプスでライチョウらしき鳥がいて驚きながら写真を撮影した。今回の情報が今後の保護活動に役立てばという思いで情報提供した。」

(2)11月25日(日)11:25

確認者:一般登山者(28歳)(愛知県豊田市)(写真クレジット:豊田山岳会 安藤亮氏)

確認場所:木曽駒ヶ岳頂上木曽小屋から少し下った登山道付近

確認者よりいただいたコメント:

「冬毛のライチョウが1羽いるのを目撃し、すぐ環境省に情報提供した。今回のライチョウ発見によって若者が登山や山岳会に興味持ってくれたらいいなと思っている。」

2.今後について

中央アルプスでのライチョウ目撃情報を引き続き収集するとともに、ライチョウ保護増殖検討会(座長:帯広畜産大学名誉教授 藤巻裕蔵)で専門家の意見を聞きながら、環境省及び長野県等でライチョウ保全に資する対策を検討していきます。

3.これまでの経緯

昭和44(1969)年以降にライチョウの目撃がなく絶滅したとされる中央アルプス木曽駒ヶ岳において、平成30年7月20日に一般登山者により撮影されました。この確認を受けて、平成30年8月7日にライチョウ専門家調査を実施し、個体は発見できなかったものの、昨年の巣と卵が発見され、雌1羽が少なくとも1年以上定着していたことがわかりました。

また、上記調査で採取した羽毛等の遺伝子解析の結果、北アルプス又は乗鞍岳から飛来した個体であることがわかっています。

添付資料