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中部地方環境事務所

報道発表資料

2013年01月29日
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報道発表:名古屋港北浜ふ頭地先埋立計画に関する環境配慮に対する環境省意見について

中部地方環境事務所

 環境省では、現在、名古屋港管理組合において検討が進められている「名古屋港北浜ふ頭地先埋立計画」に係る環境配慮について、本日、同組合に対して環境の保全の見地から環境省意見を提出いたしました。

1.事業の概要

事業の種類 公有水面の埋立て
事業者 名古屋港管理組合(名古屋港港湾管理者)
規模 約70ha

2.経緯

  • 名古屋港が平成23年5月に国際バルク戦略港湾(穀物)に選定されたことを受け、同港の港湾管理者である名古屋港管理組合は、新食料コンビナート用地として、同港内に海面埋立による約70haの工業用地を計画し、平成24年3月の交通政策審議会第48回港湾分科会の審議を経て、港湾計画に位置づけられた。
  • 環境省においては、港湾分科会での審議に併せ、改正環境影響評価法及びその附帯決議の趣旨に鑑みて、当該埋立用地に係る事業の早期段階から、環境配慮に努めるよう意見を述べた。
  • この意見を踏まえ、名古屋港管理組合においては、当該埋立用地の計画策定プロセスや複数案の比較評価結果を明らかにし、計画に係る環境配慮について検証する手続を開始したものである。
<手続の流れ>
平成24年
10月12日 第1回北浜ふ頭地先埋立計画に関する環境配慮検討委員会
12月15日 第2回北浜ふ頭地先埋立計画に関する環境配慮検討委員会
12月26日 中部地方環境事務所長宛て意見照会
12月27日 パブリックコメントの募集(~平成25年1月31日)

3.主な環境省意見の概要

(1)
複数案の設定
 「現計画(A案)」及び「埋立地分離形式(B案)」の設定に当たって与えられた前提条件や考え方が明らかではないため、これらをその検討経緯とともにより具体的に方法書に記載すること。また、当該事業を実施しない案を複数案に含めなかった理由についても、方法書に記載すること。
(2)
評価項目の選定並びに調査、予測及び評価
 本検討において示された資料においては、評価項目やその調査、予測及び評価の手法の選定の考え方が必ずしも明らかではないため、これらが選定された理由及びその妥当性を、検討経緯とともに、より具体的に方法書に記載すること。
(3)
総合的な評価
 配慮書手続は、「環境面」の評価項目ごとの重大な環境影響を比較整理し、それらを回避・低減すべく評価を行うべきものである。このことから、方法書において、重大な環境影響を回避・低減する観点からA案又はB案が選定された理由を明らかにするとともに、選定された案について、環境影響が事業者により実行可能な範囲内で回避され、又は低減されているか評価し、これを記載すること。
(4)
今後の環境影響評価手続における留意事項
環境省等意見への見解
 本環境省意見及びパブリックコメントにより募集した一般からの意見については、意見の内容及びそれに対する事業者の見解を明らかにし、方法書に記載すること。
水域環境への影響
 本検討の結果、A案及びB案のどちらを選択した場合においても、周辺海域の水質に対する影響が懸念されるものと評価されていることから、今後の環境影響評価手続を実施するに当たっては、水質シミュレーションによる定量的かつ詳細な予測、評価を行い、適切な環境保全措置を検討すること。
野生生物への影響
 今後の環境影響評価手続を実施するに当たっては、海域生態系への影響のみならず、工事の実施や埋立地の存在による陸域生態系への影響にも配慮し、これらの良好な自然環境の保全及び創出について検討するため、専門家等による助言を受けながら、適切に調査、予測及び評価を行うこと。
護岸の構造等の検討
 今後の環境影響評価手続を実施するに当たっては、埋立用地の護岸の構造、工法等による環境配慮によって、更なる環境影響の回避・低減を検討すること。
(5)
浚渫土砂の低減及び有効活用並びに埋立抑制
 本事業の実施に当たっては、同港内で発生する浚渫土砂を使用し、新たな埋立て処分は可能な限り回避するよう努めること。また、長期的、総合的な視点から、発生量の低減、広域的視点も含めた有効活用及びそれらの技術開発の促進について、専門家による助言を受けて具体的に検討すること。

4.今後の予定

 名古屋港管理組合において2月下旬に第3回の有識者検討会が開催される予定。
また今後、当該手続を踏まえ、環境影響評価法に基づく環境影響評価手続が実施される予定。

<添付資料>

別紙 : 名古屋港北浜ふ頭地先埋立計画に関する環境配慮に対する環境省意見 [PDF 95KB]

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