報道発表資料
- その他
お知らせ:白山国立公園におけるライチョウ調査の状況について
中部地方環境事務所
平成24年に国立公園指定50周年を迎える白山国立公園において、平成21年6月に約70年ぶりにライチョウの生息が確認されたことから、環境省中部地方環境事務所では、平成21年度から継続してライチョウの生態調査を実施しています。本年度の調査等の結果(5月~10月分まで)を取りまとめたので、お知らせいたします。
また、白山におけるライチョウの保護及び中部地方におけるライチョウの種の保存のための検討調査の一環として、ライチョウの山域間の移動交流等の状況を把握するため、10月22日(土)の調査においてライチョウ(メス・1羽)を捕獲し、個体の計測、血液採取を実施するとともに、標識(足輪)を装着しました。
1.本年度調査の結果
○調査目的
白山におけるライチョウの生息環境及びその利用状況の把握
日本におけるライチョウの山域間交流を把握するための、白山に生息するライチョウ個体のデータ採取等(標識装着及び血液採取)
○調査回数
7回(調査総日数:15日)
○調査場所
白山(白山国立公園特別保護地区内、国指定白山鳥獣保護区内)
○ライチョウ確認回数(目撃)
全6回(6/1、7/11、7/12、8/30、10/22、10/23)
○調査体制
生態調査は、環境省中部地方環境事務所スタッフ(職員及び調査員)のほか、石川県白山自然保護センターの上馬氏の協力をいただいて実施。
標識調査(10/22-23)は、上記関係者のほか、信州大学教育学部中村浩志教授の指導・協力を得て実施。
○調査の成果
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- 残雪期の植生状況及び春期のライチョウの利用箇所を把握(分析は、今後実施する予定)。
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- シラタマノキ及びイワイチョウの葉、クロマメノキ、ウラジロナナカマド、ベニバナイチゴ、クロクモソウの新芽を採食していることを確認し、春期及び営巣時期の食性を把握。
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- ハイマツ林、岩や小石の多い環境を採餌や休息などの生活場所とし、ハイマツ帯を利用して営巣を行ったことを確認。
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- 巣において、卵(6個)を確認し、いずれも無精卵※1であることを確認。
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- 羽根、糞、無精卵(6個)を採取したほか、写真撮影、ビデオ撮影を実施。
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- 10月22日(土)調査時にライチョウを捕獲し、体重、喚羽状況等の個体計測及び血液採取を実施(採取血液については、今後分析予定。)。体重は565g。併せて個体識別が可能な標識(足輪:赤色)を装着した。
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- 標識装着の翌日(10/23)に、再度ライチョウを確認。異常が無いかどうか観察し、過去観察時と同様に採餌等している様子を確認。
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- 1 ライチョウは、つがいとならない場合においても繁殖期に産卵する。
2.ライチョウ保全のための取組について
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- 中部地方環境事務所等で、白山に関係する地方自治体、NPO等の機関(34団体)にライチョウの保全活動への協力を文書にて依頼。
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- 中部地方環境事務所及び関係者により、夏山シーズン中にパトロールを実施。
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- サブレンジャー事業※2により、白山利用者に対する普及啓発活動を実施。(平成23年7月14日~8月16日:34日間 総人数204人日)
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- ライチョウの保全及び白山の生態系保全を呼びかけるチラシを石川県が作成。白山室堂、南竜山荘及び市ノ瀬ビジターセンター等の利用拠点に設置。
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- 白山でのライチョウの目撃情報についての情報提供を依頼し、今年度一般からの1件の情報提供があった。
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- 中部地方環境事務所、石川県、白山市及び白山観光協会で夏期に学生等をサブレンジャーとして雇用し、白山の清掃や利用者指導を実施する事業。
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<写真・動画の提供について>
撮影月日
- 〔写真1〕
- 平成23年6月1日(水)今年度初確認時 ライチョウ
- 〔写真2〕
- 平成23年7月11日(月)営巣確認時 巣及び卵
- 〔写真3〕
- 平成23年10月22日(土)標識装着時 ライチョウ
- 〔写真4〕
- 平成23年10月23日(日)標識装着後 ライチョウ
- 〔動画〕
- 平成23年7月11日(月)営巣確認時
撮影
環境省中部地方環境事務所
素材
写真4枚・動画2分-電子データが必要な社はお尋ねください。
請求先
下記問い合わせ先、富山県、石川県、福井県及び岐阜県庁の野生生物担当課
<問い合せ先>
環境省中部地方環境事務所 野生生物課 担当:高木
TEL:052-955-2139 FAX:052-951-8919
環境省中部地方環境事務所 白山自然保護官事務所 担当:瀬川
TEL:076-259-2902 FAX:076-259-2085
別添資料
参考資料 [PDF 242KB]