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【お知らせ】ドイツ政府作成 中学・高等学校生徒向けの生物多様性普及啓発教材の日本語版の作成について
2009.11.04 環境省中部地方環境事務所
中部地方環境事務所は、ドイツ連邦環境自然保護原子力安全省が作成した生物多様性の普及啓発教材「生物多様性:教育と情報のためのマテリアル」(中学校・高等学校生徒向け)の日本語版を作成し、中部地方環境事務所ホームページに掲載して利用できるようにしました。
この教材の特徴は、問題や演習、グループ討議の素材等、作業的、体験的内容が含まれていることで、身近な生物多様性に置きかえて自ら調べて、考え、楽しく学ぶことができます。
そのため、例えば、中学校・高等学校における総合的な学習の時間や、NGO等がワークショップ形式で生物多様性について学ぶ素材としても利用することができます。
さらに、一般の方が生物多様性についての理解を深めるための読み物としても最適です。
1.「生物多様性:教育と情報のためのマテリアル」日本語版作成の経緯
ドイツ連邦環境自然保護原子力安全省は、平成20年7月に生物多様性の普及啓発教材「生物多様性:教育と情報のためのマテリアル」を作成、公表し、我が国においても紹介されました(参考1)。
中部地方環境事務所では、来年10月に愛知県名古屋市で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催されることを踏まえ、生物多様性について地域の理解を浸透させるため、ドイツ連邦環境自然保護原子力安全省と連絡調整して、当該教材の日本語版を作成しました。
2.「生物多様性:教育と情報のためのマテリアル」の概要
(1)対象
中学校・高等学校の生徒向けの教材として作成されたものですが、一般の大人の方も利用頂くことができます。
(2)特徴及び活用方法
この教材の特徴は、問題や演習、グループ討議の素材等、作業的、体験的内容が含まれていることで、身近な生物多様性に置きかえて自ら調べて、考え、楽しく学ぶことができます。
そのため、例えば、中学校・高等学校では総合的な学習の時間に利用することができ、理科(生物)・社会(地理)で得た知識や技能等を相互に関連付けつつ生物多様性の観点から環境について理解を深める授業を展開することができます。また、NGO等が、ワークショップ形式で生物多様性について学ぶ素材としても利用することができます。
さらに、一般の方が生物多様性についての理解を深めるための読み物としても最適です。
(3)教材の詳細
本教材は次の5編から成り、中部地方環境事務所ホームページからダウンロードしてご利用頂くことができます。
- [1]世界の種の多様性(別添1)
- 世界の生物多様性の現状とその成り立ち、生物多様性を保全する必要性等について解説があり、生物多様性についての理解を深めることができます。
- [2]国立公園と生物圏保護区(別添2)
- ドイツの「レーン羊」の牧畜を復活させることによる高原景観の再生、希少動植物の保護、地域経済の活性化についての事例が紹介され、生物多様性の保全と持続可能な利用の重要性について学ぶことができます。
- [3]自然から学ぶハイテク(別添3)
- 「なぜヤモリが壁についても落ちないのか?」や「なぜハスの葉が常に汚れないのか?」等、生き物の形態や機能の特徴に関する興味深い事例と技術への応用が紹介され、生物多様性と日常生活との関係を理解することができます。
- [4]学習と能力評価(別添4)
- 生物多様性に関する記述式の問題とその解答が掲載されており、生物多様性についての理解度を測ることができます(なお、当該教材は、ドイツの生徒が、OECDの学習到達度調査のための準備に利用できるように作成されたものです。)。
- [5]生物多様性に関する短編映画 脚本を作ろう(別添5)
- 生物多様性に関する映画のシーンが例示され、それに続くシーンを考える内容となっており、生物多様性を分かりやすく伝えることについて学ぶことができます。
(参考1)
- 本教材は、以下の本及びウェブページで紹介されました。
- ・
- 香坂玲『いのちのつながり よく分かる生物多様性』中日新聞社 p156~158
- ・
- EICネット 海外ニュース「ドイツ 生物多様性をテーマにした環境教育教材が完成」
(http://www.eic.or.jp/news/?act=view&oversea=1&serial=18946)
(参考2)
本教材の日本語版は、ドイツ連邦環境自然保護原子力安全省のホームページ ( http://www.bmu.de/publikationen/bildungsservice/bildungsmaterialien/sekundarstufe/lehrer/doc/41546.php) にも後日掲載される予定です。