英虞湾の干潟再生事業
英虞湾の干潟再生事業
取組の概要
英虞湾の湾奥部に点在していた干潟(269ha)が、江戸時代以降の水田造成などにより約70%(185ha)が消失し、赤潮や貧酸素水塊が発生するようになりました。消失した干潟のうち現在は使われていない遊休地に海水を行き来させ、堤防により分断されていた陸と海の栄養のつながりを再生することにより、たくさんの生きものが生息できる干潟を再生し、生物多様性を回復・創出しようという取組です。
この事業は、志摩市が進める「新しい里海創生によるまちづくり [PDF 1.4MB]」の具体的な取組にも位置付けられており、環境省は平成24年9月からホテル近鉄アクアヴィラ伊勢志摩の敷地内の沿岸遊休地で事業を開始しました。土地所有者、漁業者、エコツアー事業者、関係行政機関など様々な主体が関係する場所であり、取組にも加わってもらうため、環境省と地域の主体が協働して進めています。
干潟再生の場所
ホテル近鉄アクアヴィラ伊勢志摩(志摩市大王町船越3238-1)
堤防から見た再生干潟 |
堤防外の海域 |
再生干潟(左奥が堤防) |
なお、英虞湾内では他に2箇所で干潟再生事業が取り組まれています。
|
干潟再生の方法
干潟再生は、海域と遊休地を仕切っている堤防にある水門を開放し、海水を行き来させることで行います。
(提供:三重県水産研究所) |
水門開放
平成24年9月14日に潮受け堤防の水門を開放し、沿岸遊休地内に海水を導入しました。
水門開放前 |
水門開放直後 |
参考 報道発表:伊勢志摩国立公園英虞湾における干潟再生事業の開始について
環境調査
水門開放により干潟の生物や環境がどのように変化しているのかを把握するために、定期的に生物や底質(干潟の泥の状態)の調査をしています。
底生生物の採取 |
底質の採取 |
水門を通過する魚類などの採取 |
関係者会議
干潟再生事業には、土地所有者の企業、周辺海域でアオサノリを養殖している漁業者、付近をフィールドにしているエコツアー事業者、関係行政機関など様々な主体が関係しており、これらの主体が協働して取り組んでいくことが重要です。そこで、環境調査の結果を報告し干潟の状況を共有したり、干潟の活用方法を検討したりする会議を定期的に開催しています。
- メンバー:
- 土地所有者(企業)、漁業者、エコツアー事業者、志摩市、三重県
- 事務局:
- 環境省
関係者会議の様子(平成24年12月18日) |
自然観察会・イベント
地域のみなさんに干潟に触れてもらい、干潟の大切さを理解してもらおうと、干潟の生きもの観察会やアオサノリ収穫体験などを開催しています。
- 平成28年3月12日
- 自然観察会「アオサノリの収穫体験」 [PDF598KB]
- 平成27年6月6日
- 自然観察会「干潟の生きもの探検隊」 [PDF437KB]
- 平成27年3月8日
- 自然観察会「アオサノリ収穫体験」 [PDF2,097KB]
- 平成26年7月12日
- 自然観察会「干潟の生きもの観察会」 [PDF 454KB]
- 平成26年3月2日
- 自然観察会「アオサノリ収穫体験!」 [PDF 442KB]
- 平成25年6月8日
- 干潟の生きもの観察会 [PDF 557KB]
- 平成25年3月9日
- 自然観察会「アオサノリ収穫体験!」 [PDF 306KB]
- 平成25年2月10日
- 自然観察会「干潟再生を知ろう!」 [PDF 1,207KB]