ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年7月 7日

2件の記事があります。

2021年07月07日朝日岳山開き

中部山岳国立公園 立山 平松新一

こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の平松です。

 7月3日から4日にかけて、朝日岳山開きに参加してきました。昨年度はコロナの影響で実施できなかったそうで、今年は2年ぶりの開催でした。3日は雨こそ降らなかったものの始終ガスがかかっていて、周辺の山々を見ることはできませんでした。それでも、高山植物はすでに咲き始めていて、草花に癒やされながら登山することができました。そこでここでは登山行程と登山中に見られた花について紹介します。

 登山口である北又小屋からイブリ山までの多くは林の中の道です。途中1合目から順に標識があって、10合目がイブリ山山頂です。多くの標識はクマにかじられたのか、破損していました。

     

       <登山口のある北又小屋>              <三合目 標識が破損している>

 イブリ山までの林床には、所々で花が咲いていました。

     

          <イチヤクソウ>                    <サンカヨウ>

     

  <オオサクラソウ>                   <シラネアオイ>

 イブリ山を過ぎると高木は少なくなり、やがて明るい草原に出ます。そこは夕日ヶ原と呼ばれる場所で、チングルマなどの高山植物が見られます。

      

  •    <イブリ山山頂 ここまでで全行程の約2/3>               <夕日ヶ原>

       <チングルマ>                    <キヌガサソウ> 

 

       <イワイチョウ>                  <ミヤマキンポウゲ>         

 登山口から7時間、目的地の朝日小屋に着きました。小屋の横には朝日神社があり、ここで山開きの神事が行われました。

 この日の朝日岳にはガスがかかっていて、全容を見ることはできませんでしたが、ガスの晴れ間から雪倉岳や白馬岳を見ることができました。

      <朝日小屋>                      <朝日神社>

       

    <ガスのかかる朝日岳方面>              <雪倉岳(左)と白馬岳(右)>

 小屋の周りにも多くの高山植物が見られました。ライチョウもいましたが、写真に収めることはできませんでした。

      

      <ハクサンチドリ>                   <ハクサンイチゲ>

      

       <ミネズオウ>                   <シロウマアサツキ>

 翌4日は朝から雨、その後も強く降る可能性があるとのことで、朝日岳でのご来光はおろか、山頂へも行かず下山となりました。

 今回の登山では大蓮華山保勝会の皆さんに大変お世話になりました。大蓮華山保勝会は朝日岳を中心に活動しており、ガイド活動や登山道の整備などを行っているそうです。私のグループも保勝会の大和リーダーのもと、一人の脱落者も出ることなく、また見事なペース配分で行程を完遂することができました。保勝会の皆様、ありがとうございました。

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中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新しい生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

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2021年07月07日八方尾根の巡視報告

中部山岳国立公園 福澤春彦

こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。

今回は後立山を担当する管理官のお手伝いで八方尾根を巡視してきました。

梅雨入りしている6月25日は、曇天で時々小雨、八方池に映る名峰聳える景色は残念ながら雲の中でした。今回の目的は八方尾根の登山道である黒菱唐松岳線歩道を巡視することでした。

北アルプス名峰の一つ唐松岳より派生する八方尾根は鎌池湿原上部からが国立公園で、スキー場としても国内有数の規模と景観を誇ると共に、グリーンシーズンにはスキー場リフトを利用したトレッキングに多くの方が訪れる地です。

<八方駅からゴンドラで一気に高度を上げます>

八方山までの南斜面は木道が整備されており、高山植物のお花畑を眺めながら無理なく標高を上げることができます。

まだ夏シーズンには少し早い時期でお客さんも少なく、ゴンドラもリフトもノンストップで乗り継ぐことができ八方池山荘に到着しました。

<黒菱唐松岳線歩道の案内看板>

3本目のグラードクワットリフト乗車中に見える1998年開催された長野オリンピック男子滑降スタート地点の標柱が目に入ってきます。

<整備された木道>

現地を日頃から巡視しているスタッフ2名と合流し、早速巡視開始です。

登山道、休憩ベンチ、トイレなどの確認とパトロール、現場にいらっしゃるスタッフのお話や情報はとてもありがたいです。巡視でいつも思いますが、現地に関わる様々な方達に国立公園は守られている事を実感します。

整備された木道は、大部分が斜面に施工されているため階段状(部分的には階段そのもの)であり、一般的な登山道と比べて容易に登り降りできる反面、木道ならではの気をつけて頂きたい注意点も潜んでいます。

<整備された木道>

例えば、濡れていると滑りやすい(靴もストックも)、斜面に対して左右に傾きがあると体幹を保ち辛く歩きにくい、その二つが同時にあると特に注意が必要です。

素敵なお花や景色が目に映ることと思いますが、一歩一歩、歩くことに集中しましょう!

安定した階段や木道を確認しながら、スタッフが通行止めにしている箇所に来ました。

木道と尾根ルートが合流する地点の少し先で、通行禁止の看板が立っています。

手前の合流地点より尾根ルートへ迂回して下さい。

<谷側に変形した木道>

写真の通り斜面に沿うように谷側に外傾しており、もし雨で滑りやすくなったとしたら慎重な歩行が必要な箇所です。毎年積もる大量の雪が斜面に沿って流下する際に大きな力が働き、地形や登山道を変形させてしまっています。

写真の木道は安全対策として修繕することになりました。

<通行禁止の看板>

八方池はまだ雪解けの途中でした。

歩道は破損も無くしっかりとしておりベンチやテーブルも綺麗で、天気が良ければ、ゆっくり景色を堪能しながらランチタイムを楽しんで頂けそうです。

<木道の休憩ポイント>

<今日の八方池>

お花の季節は始まっており、ユキワリソウやシナノキンバイが綺麗で、これから始まる色鮮やかなグリーンシーズンを待っているようでした!

<八方池のお花畑>

八方池までは、ゴンドラやリフトを乗り継ぎ木道を歩いてアクセスできますが、ここは標高2,000mほどの北アルプスです。

「カメラを忘れても雨具を忘れるな」、高所の天候に順応できる服装や装備を忘れずに

お越し下さい。

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