ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年6月29日

2件の記事があります。

2021年06月29日白山 花咲き始め♪ ただし、残雪に注意!

白山国立公園 大石佳織

皆さん、こんにちは。
白山自然保護官事務所の大石です。

白山は71日からいよいよ夏山シーズンが始まります。
白山国立公園の山々にはまだ雪が残っている状況ですが、624日に開山前の登山道の状況を確認してきたのでご紹介します。

(平瀬道からの白山。6月24日撮影)

今回確認に行ったのは、白川郷などでも有名な岐阜県白川村に位置する大白川登山口から登る「平瀬道」です。

この平瀬道は変化があって、とても楽しいルートです。
登り始めは豊かなブナ林なので、森の空気を深呼吸で思いっきり吸い込みながら登ります。

(平瀬道のブナ林)
足元では、ユキザサやマイヅルソウなどが線香花火のようなかわいらしい花を見せてくれています。

(足元に咲くマイヅルソウ)

さらに登るとダケカンバの疎林になり、視界が開けて眼下に白水湖が見えてきます。

(振り返ると白水湖)

明るい場所ではブナ林の中とは違う花々が足元に現れます♪

(左:ツマトリソウ 右:ハクサンチドリ♪)


(左:コイワカガミ 右:ミヤマキンポウゲ)
低木の陰では、キヌガサソウやサンカヨウも咲いていました!

(キヌガサソウ♪)

こんな風に
とても楽しい道ですが、この季節はまだ残雪もあります。
大倉山避難小屋付近から残雪が現れ始め、避難小屋の上部には雪渓がありました。

(谷底へ続く雪の斜面。6月24日撮影)
雪に覆われた斜面を横切るのですが、足を滑らせると大変危険です。
私たちは軽アイゼンを装着し、足元に気を付けて慎重に進みました。

(平瀬道の雪渓を進む。624日撮影)

夏山シーズン到来ではありますが、白山山頂へ向かう登山道は平瀬道に限らず残雪があります。
登山口は
盛夏と変わらない様子に見えても、途中、突然雪の急斜面が現れることがあります。雪の斜面は登りは簡単に進めても、下りがとても怖いこともあります。やわらかいスニーカーなどは足場を作れず危険なので、しっかりとした靴やアイゼンなどをご準備ください。

登られる方は事前の情報収集と、十分な装備をご準備ください。また、残雪があると雪のない登山道を歩くよりも時間がかかることもあるので、いつも以上に余裕を持った計画を立ててくださいね。


(水色線の箇所が今回紹介した場所)

<新型コロナウィルス感染防止にご協力ください>

・発熱や咳等の風邪症状の見られる方は登山をお控えください。
・人と人との十分な間隔(できるだけ2mを目安に)をおとりください。
・休憩時でも密集を避けてください。
・すれ違いの時の挨拶はお控えください。
・ゴミは密閉してお持ち帰りください。
・避難小屋を利用する際は、窓を開けて換気を良くし、利用後は窓を閉めていただきますようご協力をお願いします。
・この他、感染拡大につながる行動の自粛をお願いします。

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2021年06月29日第28回野尻湖クリーンラリー

妙高戸隠連山国立公園 土屋達郎

6月25日(金) 第28回野尻湖クリーンラリーが開催されました。

これは信濃町立信濃小中学校5年生を対象に平成3年から毎年行われているイベントです(昨年はコロナのため中止)。将来を担う子ども達に、野尻湖や周辺の森林・河川等の観察を通して野尻湖の水質保全や地球温暖化の影響などについて関心を持ってもらい、また、その知識・経験を家族等に伝えることで、地域住民等の方々の自主的な水質浄化の取組に広げていこうという趣旨です。

主催は、長野県、信濃町、信濃町教育委員会、信濃町野尻区。これに野尻湖水上安全協会、野尻湖漁業協同組合、環境省が協力しています。

参加機関で見ると、信濃町、信濃町教育委員会(野尻湖ナウマンゾウ博物館、信濃町立信濃小中学校)、信濃町野尻区、環境省信越自然環境事務所、長野県(水大気環境課、環境保全研究所、長野保健福祉事務所、水産試験場、長野地域振興局)と実にたくさんの人たちがこのイベントを支えているのがわかりますね。

<夢中で水生生物を探す大人達>

朝7:00に関係者が信濃町役場前に集まり、近くの川にヘビトンボの幼虫など水生生物の採取に行きました。

近くにこんな綺麗な川があったとは! 胴長を履いて川の中にジャブジャブ入り、皆夢中で石をひっくり返しては川虫等を捕まえました。なかには魚のカジカが採れちゃった人も。尚、今回捕まえた水生生物は展示が終わったらまた川に戻すのだそうです。

<信濃町役場7:00集合>

<きれいな信濃町の川>

<ナウマンゾウ博物館近藤館長の指示のもと>

<カジカ>

野尻湖に移動し、生徒達集合。第3のじりこ丸に乗船し、野尻湖の水深38mの一番深い場所へ。そこでは「透明度」「水面と水深20mの水温比較」「水深20mでのプランクトン採取」を行いました。透明度は白い板を沈めて行って何mで見えなくなるかを計測するのですが、なんと水面から9mほどまで見えていました。野尻湖の透明度の高さがよくわかりましたよ。

<野尻湖に移動して船の準備>

<今回乗船した第3のじりこ丸>

<信濃町の小学5年生が集合>

<ナウマンゾウ博物館近藤館長の解説>

<乗船>

<近藤館長が日本初の揚水発電所を紹介>

<野尻湖の奥にある菅川集落>

<白い板を沈めて透明度測定>

<まだ見えています>

<サポート隊の皆さん>

<重たい水の汲み上げありがとうございます>

<水温計測 水深20mの水は冷た~い>

<次は先端に採水器の付いた網で>

<ロープを押すサポートも>

<水深20mから採取した水には・・・>

<魚の餌となるプランクトンたくさん>

<帰りは日が出て暑くなりましたよ>

その後、野尻湖体育館に移動。それぞれの団体がブースを出して生徒達が自分の興味のあるところに行って話を聞くという企画。環境省からは、戸隠自然保護官事務所が妙高戸隠連山国立公園とSDGsの解説、信越自然環境事務所野生生物課が特定外来種(ブルーギル、ブラックバス等)の解説を担当しました。

SDGs「エスディージーズ/Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」は2015年に国連で採択されたもので、誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって2030年までに達成すべき17の目標です。

17の目標の中で国立公園が直接関わってくるのが14番目の「海の豊かさを守ろう」、15番目の「陸の豊かさも守ろう」ですね。3番目の「すべての人に健康と福祉を」にも関わってくるでしょうか。

といってもSDGsが国連で採択されたのは2015年(平成27年)ですが、国立公園は1931年(昭和6年)に国立公園法(現自然公園法)で無制限な開発を抑制して自然を保護し、持続可能な利用を促進する目的で定められたものです。実は日本ではSDGsよりもずっと前から持続可能な開発をしているんですね。

<野尻体育館で第2部開始>

<妙高戸隠連山国立公園とSDGs>

<オオクチバス>

<コクチバス>

野尻湖クリーンラリーは子ども達が実際に自然に触れて体験し、自然の大切さを考える機会となる素晴らしいイベントだと思いました。

これからもみんなで協力して野尻湖の美しさを守っていきたいですね。

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