中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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皆さん、こんにちは。 白山自然保護官事務所の大石です。
石川県道白山公園線の冬期通行止めが4月28日に解除され、約5ヶ月ぶりに市ノ瀬地区へアクセスできるようになりました。市ノ瀬ビジターセンターも4月29日に開館し、ようやく白山国立公園にも春がやってきました。 (市ノ瀬地区で咲く春の花、キクザキイチゲ。4月26日撮影) 通行止めが解除される少し前、私たちは道路管理者の許可を得て、市ノ瀬地区で環境省が管理している施設や園地の安全確認に行ってきました。 冬の間に、雪の重みで木が倒れたり、木道が傷んだりすることがあります。 木の場合、完全に倒れきっていればまだいいのですが、時々、倒れそうだけど何とか立っているような木があります。このような木は、あるとき突然倒れてくることがあり、とても危険です。 このため、私たちは登山道沿いに危険な木や危ない場所がないか、巡視で確認をしています。 (実際に歩いて安全を確認していきます。4月26日) 岩屋俣谷園地では、巡視の結果、市ノ瀬口から登るコースについては、すぐに倒れる恐れのある木はないことが確認されました。2019年から通行止めの原因になっていた倒れかけの大きな木は昨年除去したため、市ノ瀬口からブナ平を周回するコースはこの春から通れるようになりました! なお、今宿口から白山展望台までの区間は、倒れそうな枯死木があること、階段が破損して通行が危険な箇所があることから、引き続き通行止めにしています。皆さまにはご迷惑・ご不便をおかけし、申し訳ありませんが、通行が可能になるまでお待ちください。 (岩屋俣谷園地と市ノ瀬周辺の地図) 赤色線で示した箇所は現在も通行止めの区間で、黄色線で示した箇所はこの春、通行止めを解除した区間です。 ところで、巡視をしていてつくづく感じたのですが、春は変化が大きい季節ですね。岩屋俣谷園地は雪解けが一気に進みました。 (4月19日のブナ平) (4月26日のブナ平) 標高1190m付近のブナ平は1週間で雪がなくなりました。 白山の雪もこの通り。 (4月19日の白山) (4月26日の白山) いずれも標高985mの白山展望台から撮影しました。 白山はさすがにまだまだ雪山ですが、黒いところが増えました。季節が進んでいるのがわかります。 そして、巡視の時、木々が葉を広げる前だからこそ楽しめるものにたくさん出会いました。 <その1:曲がった木> 葉が茂っていない季節、森の中は見通しがききます。 そこで私が気になるのは木の根元。 白山周辺の山々では斜面の木々の根元が曲がってるんですよ。 (みんなそろって曲がってる。4月19日撮影) 私が育った関西ではこんな木を見た記憶がありません。 実はこれ、豪雪の影響なんだそうです。 詳しくはいつか改めてご紹介したいと思います。 雪の少ない地域の皆さん、白山にお越しの際は、ぜひ木の形にもご注目ください! <その2:クマ棚> 上を見上げると、木の高いところに枯れ枝が集まっていることがあります。(木の高いところに枯れ枝の塊が・・・) これは前年の秋に、ツキノワグマが木に登って木の実を食べた痕で、クマ棚と呼ばれています。観察すると、思いのほか高い場所、細い枝まで登っているのがわかります。ツキノワグマって木登りが上手なんですね。これも木々に葉が茂っていないからこそ見えるものです。 <その3:鳥たち> 葉っぱがないと、木々の間を飛び交う鳥たちがよく見えます! 巡視中、コゲラ、アオゲラ、シジュウカラ、コガラ、ヤマガラ、ゴジュウカラ、カケスなど様々な鳥を観察できました。子育ての季節を迎えた鳥たちが、忙しく飛んだり、駆けたりして一生懸命エサを探す様子はとてもかわいかったです♪ (忙しく駆け回っていたコゲラ。小さい画像でごめんなさい。4月26日撮影) 双眼鏡を持って、朝から散策すれば、もっといろんな鳥に出会えるかもしれません。 こんな風に春先も白山国立公園では、自然のおもしろい姿を観察することができます。皆さんが訪れるときにはどんな景色になっているでしょうか。その時、白山が見せてくれる姿を楽しんでいただけたら嬉しいです。 (水色の下線箇所が今回紹介した場所)
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、上信越高原、妙高戸隠連山、中部山岳、白山、伊勢志摩国立公園があります。
皆さん、こんにちは。
白山自然保護官事務所の大石です。
石川県道白山公園線の冬期通行止めが4月28日に解除され、約5ヶ月ぶりに市ノ瀬地区へアクセスできるようになりました。市ノ瀬ビジターセンターも4月29日に開館し、ようやく白山国立公園にも春がやってきました。
(市ノ瀬地区で咲く春の花、キクザキイチゲ。4月26日撮影)
通行止めが解除される少し前、私たちは道路管理者の許可を得て、市ノ瀬地区で環境省が管理している施設や園地の安全確認に行ってきました。
冬の間に、雪の重みで木が倒れたり、木道が傷んだりすることがあります。
木の場合、完全に倒れきっていればまだいいのですが、時々、倒れそうだけど何とか立っているような木があります。このような木は、あるとき突然倒れてくることがあり、とても危険です。
このため、私たちは登山道沿いに危険な木や危ない場所がないか、巡視で確認をしています。
(実際に歩いて安全を確認していきます。4月26日)
岩屋俣谷園地では、巡視の結果、市ノ瀬口から登るコースについては、すぐに倒れる恐れのある木はないことが確認されました。2019年から通行止めの原因になっていた倒れかけの大きな木は昨年除去したため、市ノ瀬口からブナ平を周回するコースはこの春から通れるようになりました!
なお、今宿口から白山展望台までの区間は、倒れそうな枯死木があること、階段が破損して通行が危険な箇所があることから、引き続き通行止めにしています。皆さまにはご迷惑・ご不便をおかけし、申し訳ありませんが、通行が可能になるまでお待ちください。
(岩屋俣谷園地と市ノ瀬周辺の地図)
赤色線で示した箇所は現在も通行止めの区間で、黄色線で示した箇所はこの春、通行止めを解除した区間です。
ところで、巡視をしていてつくづく感じたのですが、春は変化が大きい季節ですね。岩屋俣谷園地は雪解けが一気に進みました。
(4月19日のブナ平)
(4月26日のブナ平)
標高1190m付近のブナ平は1週間で雪がなくなりました。
白山の雪もこの通り。
(4月19日の白山)
(4月26日の白山)
いずれも標高985mの白山展望台から撮影しました。
白山はさすがにまだまだ雪山ですが、黒いところが増えました。季節が進んでいるのがわかります。
そして、巡視の時、木々が葉を広げる前だからこそ楽しめるものにたくさん出会いました。
<その1:曲がった木>
葉が茂っていない季節、森の中は見通しがききます。
そこで私が気になるのは木の根元。
白山周辺の山々では斜面の木々の根元が曲がってるんですよ。
(みんなそろって曲がってる。4月19日撮影)
私が育った関西ではこんな木を見た記憶がありません。
実はこれ、豪雪の影響なんだそうです。
詳しくはいつか改めてご紹介したいと思います。
雪の少ない地域の皆さん、白山にお越しの際は、ぜひ木の形にもご注目ください!
<その2:クマ棚>
上を見上げると、木の高いところに枯れ枝が集まっていることがあります。
(木の高いところに枯れ枝の塊が・・・)
これは前年の秋に、ツキノワグマが木に登って木の実を食べた痕で、クマ棚と呼ばれています。観察すると、思いのほか高い場所、細い枝まで登っているのがわかります。ツキノワグマって木登りが上手なんですね。これも木々に葉が茂っていないからこそ見えるものです。
<その3:鳥たち>
葉っぱがないと、木々の間を飛び交う鳥たちがよく見えます!
巡視中、コゲラ、アオゲラ、シジュウカラ、コガラ、ヤマガラ、ゴジュウカラ、カケスなど様々な鳥を観察できました。子育ての季節を迎えた鳥たちが、忙しく飛んだり、駆けたりして一生懸命エサを探す様子はとてもかわいかったです♪
(忙しく駆け回っていたコゲラ。小さい画像でごめんなさい。4月26日撮影)
双眼鏡を持って、朝から散策すれば、もっといろんな鳥に出会えるかもしれません。
こんな風に春先も白山国立公園では、自然のおもしろい姿を観察することができます。
皆さんが訪れるときにはどんな景色になっているでしょうか。その時、白山が見せてくれる姿を楽しんでいただけたら嬉しいです。
(水色の下線箇所が今回紹介した場所)