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アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2020年10月 9日

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2020年10月09日乗鞍山麓に広がる貴重な自然景観「五色ヶ原の森」

中部山岳国立公園 平湯 福澤春彦

こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。

中部山岳国立公園の乗鞍岳北西部に広がる広大な森、高山市丹生川町の「五色ヶ

原の森」をご存じでしょうか?

約3000ヘクタールの森で、年代の違う複数回の乗鞍岳火山活動により流下

した溶岩が作り出した自然を見ることのできる大変貴重なエリアです。

古く岐阜県側からは、乗鞍岳に続く山岳信仰の登拝道が8つあったそうですが、

車道が整備され乗鞍岳へのアプローチが時代とともに大きく変化したため

登拝道は自然と姿を消し、自然の森はそのままの姿で残ることになりました。

近年まで地元住民など限られた人しか入ることのなかったこの森は、専門ガイド

によるツアーでのみ一般公開されています。

<溶岩流の上に森ができました>

そんな「五色ヶ原の森」は、今年7月豪雨で登山道や架け橋は流され、土砂流出で川

の流れや様相が変わり、山小屋の土台を抉り、大きな被害を受けました。

私も8月の復旧活動に参加し、状況を目の当たりにしていましたので大変心配して

いましたが、現在はガイドさんを中心に地元関係者の方々の尽力で「五色ヶ原の森」

ツアーコースであるシラビソコース、ゴスワラコースは、復活しており安堵しました。

<流された歩道や橋を再構築 >

<素敵な山小屋で休憩できます>

この森の最大の特徴は、溶岩台地の上に出来上がった手つかずの森で、水の保水力が

物凄くあると言うことです。そのことにより、絶えず森の地中を縦横無尽に流れる豊富

な水は森全体の気温を下げシラビソやオオシラビソなど亜高山帯の植生を形成していま

すし、また豊富な水は溶岩台地の崖から流れ出し大きな滝となっています。

<布引の滝>

この布引の滝の上には大きな川はありません、大量の伏流水が溢れ出して滝になっています。

この貴重な森と自然について、専門のガイドさんから詳しい、そして楽しいお話を

聴くことができます。

○乗鞍山麓 五色ヶ原の森案内センター<https://goshikinomori.com/>

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