ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2020年9月 8日

2件の記事があります。

2020年09月08日ロングトレイル全線踏査

妙高戸隠連山国立公園 土屋達郎

妙高戸隠連山国立公園利用促進のために計画しているロングトレイルはいよいよ大詰めを迎えております。

今回は、案内標識の作成業務を請け負っていただいている「くりこま高原自然学校」のスタッフの方が5日間の日程で全線踏査を行うのに合わせ、戸隠自然保護官事務所も管轄地域である長野県側の踏査(初日、2日目、5日目)に同行しました。

「くりこま高原自然学校」は、全長1025kmという超ロングトレイルである「みちのく潮風トレイル」開通で培ったノウハウを当ロングトレイルに活かして、案内標識の設置場所とその内容を検討してくれます。

初日。朝、長野駅に観光協会や市役所の方など関係者7人が集合しました。 ここから戸隠、笹ヶ峰を経由し、妙高市、野尻湖を経て斑尾山の頂上まで続く総延長約86㎞のロングトレイルの始まりです。

天気にも恵まれ旅の出発は気分が高まりますね。

ロングトレイルの利用者が迷わないよう、駅前から分岐等に出くわす度に、どこにどんな案内標識を取り付けたらわかりやすいかを検討・決定し記録する作業しながら歩いていきます。

今後この記録をもとに標識を作成していくことになります。

いつもならたくさんの人で賑わっているであろう長野駅から続く善光寺までの参道も、コロナの影響でしょうけど人通りが少なくてびっくり。

<善光寺>

善光寺を過ぎてからは裏通り的な細い道に入ります。普段通らない道を歩くのは楽しいものですね。途中山道や田園地帯も通り、芋井支所からは予めデポしておいた車も用いてこの日は戸隠古道に入るあたりまで調査を行いました。

<踏査>

2日目。朝、「戸隠そば博物館とんくるりん」に集合。この日は、戸隠自然保護官事務所からは私一人だけ参加。総勢6人。この日は宝光社の270段ほどあると言われる階段といい、なかなか太腿がパンパンになる行程でしたよ。 ちなみに階段の正確な段数は知りません。いつも数えながら上るのですが、いつも途中であやふやになります。どなたか正確な段数をお教えください。

<宝光社の階段>

<標識設置調査>

途中、中社の大鳥居の建て替え工事も見ごたえがありましたよ。建て替えが行われるのは80年ぶりのことだそうです。クレーンがなかったであろう80年前の大鳥居は一体どうやって建てたのでしょうね。

<中社大鳥居①>

<中社大鳥居②>

<夜の中社大鳥居>

そして最終日。黒姫高原スノーパークの駐車場に集合し、車で御巣鷹林道を走って黒姫山西登山口へ。そこから黒姫山登山道の本線分岐まで歩いて登り、標識設置場所を検討しました。さすがスタッフの皆さんは歩くのが速いこと。

笹ヶ峰へ抜ける道の途中で巨大なカツラの木に出会いました。ハート形のカツラの葉にはマルトースという成分が含まれていて落葉するとこれがマルトール(カラメル)に変化して甘い香りを出すのです。きっと秋には焦がしプリンのような甘い香りに包まれることでしょうね。

<カツラの巨木>

その後、雨が降り出しましたが、古池側からの登山道を新道分岐まで踏査。戸隠牧場までの道も繋いで、今回の踏査は終了となりました。

クタクタになりましたが、ロングトレイル開通まであと少しと思うと疲れも吹き飛びますね。

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2020年09月08日夏~秋に咲く外来植物

上信越高原国立公園 飯島久美子

夏から秋にかけて花を咲かせるオオハンゴンソウという特定外来生物をご紹介します。

↑オオハンゴンソウ             R2.9.3撮影 バラギ湖付近道路沿いにて 

かつて観賞用として日本に入ってきたもので、 黄色が鮮やかな、きれいな花です。

1から3メートルほどの背丈の高い植物なので、花の咲く時期はとても目立ちます。

オオハンゴンソウは繁殖能力が非常に高く、すでに在来の植物が生えていた場所でも

種や根っこでどんどん株を増やし、在来の植物を押しのけ拡がることが懸念されています。

↓ 道路脇などでよく見つけることができます。


車のタイヤや、動物の体について種子が運ばれ、拡がっていると考えられています。

↓近づいてみると・・他の植物の生える余地がなく一面オオハンゴンソウ!


実は...

今回ご紹介した場所は嬬恋村の地元有志の方々によって

約6年前から年に数回のペースで駆除作業が行われている場所です。

毎年駆除してもこれだけまた生えてくる。すごい繁殖力です。

主な駆除方法は2種類あります。

・根から抜き取り(根からも増えるため)

・刈り取り(種子を刈り取ることで種子による分布の拡大を防ぐため。)

今回の駆除作業は、刈り取りによる駆除を行いました。


↑ 地元のボランティア団体の方による刈り取り作業


↑ 刈り取り後

一面の黄色の花がなくなって少しほっとします。

刈り取ったオオハンゴンソウは種子が散逸しないようにビニール袋にしっかりと密閉し、直接、焼却処分場へ運びます。

オオハンゴンソウは、園芸用の近種も多く存在しますので詳細は

以下URLのリーフレット(環境省釧路自然環境事務所)をご覧下さい。

http://www.env.go.jp/nature/intro/4document/files/r_ohangoso.pdf

外来種駆除は一度では効果を得ることは難しく、継続して行うことが重要です。

来年は少しでも減りますように!

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