中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
1件の記事があります。
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
植物の花の量を写真から定量的に計測することを試みました。
うまくいけば、モニタリング調査で毎回同じ地点から写真を撮影し、各回の花の量の増減を評価できると考えたため行いました。
小栗ほか(2013)「インターバルカメラを用いたオオキンケイギクの開花量の推定方法」ランドスケープ研究76(5)で行われた「開花画像の解析」を参考に進めます。
方法は次のとおりです。
1.撮影した写真から、植物だけができるだけ入るように切り出し、解析用画像とする。
2.画像編集ソフトの自動選択ツールを用いて、開花色エリアを画面上で選択し、選択された範囲のピクセル数を読み取る。
現在、事務所周辺で、自然条件下で開花している植物がほとんどないので、近くの宿泊施設のプランターのマリーゴールドを撮影しました。
<画像の全ピクセル数は「4,252,548」、開花色エリアのピクセル数は「541,346」でした。>
作業を行ったところ、自動選択ツールで開花色エリアをうまく選択できたので、この方法は使えるかもしれないという期待が持てました。
ただし、課題が2点あります。
・今回は鉢植えなので、目的とする植物の花とほかの要素の境界がはっきりしている特殊な状態です。自然条件下では多くの要素が混じることが想定されます。目的とする植物の花の色だけを選択しやすい構図で撮影することが必要だと考えます。
・この写真の開花色エリアの割合(開花色エリアのピクセル数541,346÷画像の全ピクセル数4,252,548)は12.7%でした。画像の中で開花色エリアの占める面積が狭いです。このため、構図のずれが開花色エリアの面積の増減に与える影響が大きくなります。目標物を設定し可能な限り同じ構図で撮影することが必要だと考えます。
なお、黄色の花が咲いているプランターが5つ、オレンジ色のプランターが1つあるので、黄色とオレンジ色をそれぞれ自動選択すれば、黄色とオレンジ色のピクセル数の比がおおよそ5:1になることを期待しました。しかし、黄色の花の中心部の少し暗い所を選択すると、オレンジ色の花の一部も選択されてしまい、うまくいきませんでした。
これを回避するには、自動選択ツールの「しきい値」を調整する方法があります。ただし、より厳密に自動選択されるよう「しきい値」を小さくすると、選択される面積が小さくなるので、選択する作業を行う回数が増えます。今回は、この記事のためにそこまで手間をかけませんでした。
さて、昨日(5月13日)の帰宅途中にクマを見ました。幹の直径は20cmくらいなので小さなクマです。周りにほかのクマは見つけられませんでしたが、親が近くに潜んでいた可能性もあります。
志賀高原はツキノワグマが生息している地域で、この写真の撮影場所の近くにもクマ棚があるので、見かけても不思議ではありません。
<30m程度の距離にいるクマを、車にすぐ逃げ込める位置から撮影しました。>
環境省信越自然環境事務所では「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」を実施しています。
緊急事態宣言の延長を受けて、長野県では外出自粛要請が継続されています。改めてのお願いですが、早期収束に向け皆様のご理解ご協力をお願いいたします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、上信越高原、妙高戸隠連山、中部山岳、白山、伊勢志摩国立公園があります。
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
植物の花の量を写真から定量的に計測することを試みました。
うまくいけば、モニタリング調査で毎回同じ地点から写真を撮影し、各回の花の量の増減を評価できると考えたため行いました。
小栗ほか(2013)「インターバルカメラを用いたオオキンケイギクの開花量の推定方法」ランドスケープ研究76(5)で行われた「開花画像の解析」を参考に進めます。
方法は次のとおりです。
1.撮影した写真から、植物だけができるだけ入るように切り出し、解析用画像とする。
2.画像編集ソフトの自動選択ツールを用いて、開花色エリアを画面上で選択し、選択された範囲のピクセル数を読み取る。
現在、事務所周辺で、自然条件下で開花している植物がほとんどないので、近くの宿泊施設のプランターのマリーゴールドを撮影しました。
<画像の全ピクセル数は「4,252,548」、開花色エリアのピクセル数は「541,346」でした。>
作業を行ったところ、自動選択ツールで開花色エリアをうまく選択できたので、この方法は使えるかもしれないという期待が持てました。
ただし、課題が2点あります。
・今回は鉢植えなので、目的とする植物の花とほかの要素の境界がはっきりしている特殊な状態です。自然条件下では多くの要素が混じることが想定されます。目的とする植物の花の色だけを選択しやすい構図で撮影することが必要だと考えます。
・この写真の開花色エリアの割合(開花色エリアのピクセル数541,346÷画像の全ピクセル数4,252,548)は12.7%でした。画像の中で開花色エリアの占める面積が狭いです。このため、構図のずれが開花色エリアの面積の増減に与える影響が大きくなります。目標物を設定し可能な限り同じ構図で撮影することが必要だと考えます。
なお、黄色の花が咲いているプランターが5つ、オレンジ色のプランターが1つあるので、黄色とオレンジ色をそれぞれ自動選択すれば、黄色とオレンジ色のピクセル数の比がおおよそ5:1になることを期待しました。しかし、黄色の花の中心部の少し暗い所を選択すると、オレンジ色の花の一部も選択されてしまい、うまくいきませんでした。
これを回避するには、自動選択ツールの「しきい値」を調整する方法があります。ただし、より厳密に自動選択されるよう「しきい値」を小さくすると、選択される面積が小さくなるので、選択する作業を行う回数が増えます。今回は、この記事のためにそこまで手間をかけませんでした。
さて、昨日(5月13日)の帰宅途中にクマを見ました。幹の直径は20cmくらいなので小さなクマです。周りにほかのクマは見つけられませんでしたが、親が近くに潜んでいた可能性もあります。
志賀高原はツキノワグマが生息している地域で、この写真の撮影場所の近くにもクマ棚があるので、見かけても不思議ではありません。
<30m程度の距離にいるクマを、車にすぐ逃げ込める位置から撮影しました。>
環境省信越自然環境事務所では「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」を実施しています。
緊急事態宣言の延長を受けて、長野県では外出自粛要請が継続されています。改めてのお願いですが、早期収束に向け皆様のご理解ご協力をお願いいたします。