中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
1件の記事があります。
ページ先頭へ↑
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、上信越高原、妙高戸隠連山、中部山岳、白山、伊勢志摩国立公園があります。
11月4日に開催されました。
【冬直前の干潟に入って生き物を探しました】
当日はとても風が強かったのですが、
チゴガニ、ベンケイガニ、ヤマトオサガニなどのカニや、
ヤマトシジミ、ソトオリガイなどの貝をみつけることができました。
【チゴガニやコメツキガニの行動を静かに観察中・・・】
さらに、今回の観察会では干潟のシンボルとも呼ばれる
「トビハゼ」をみつけることもできました。
今日の日記は、このトビハゼについて少しだけご紹介します。
トビハゼは、頭の上の方についた大きな眼と
ぽてっとした大きな頬が特徴のハゼの仲間です。
【大きな眼とほっぺたがチャームポイント!】
腹びれも特徴的で、この腹びれで石などにぴたっとくっつきます。
【垂直な面でも滑りません】
このトビハゼ、魚なのに水中よりも陸上生活に適応しており、
干潟の泥の上で生活しています。
トビハゼは皮膚呼吸を行う能力が非常に高く、
陸上でも生きていけるのです。
さらに、名前の通り、トビハゼは魚なのに跳ぶことができます。
水の上をピョンピョンと連続して跳んで、陸地に上がってきます。
【尾びれを上手に使ってジャンプ!(9月18日撮影)】
このように姿も行動も魅力的なトビハゼですが・・・、
実は、生息数が減っており、
環境省のレッドリストの準絶滅危惧種(※)に指定されています。
全国の多くの干潟が埋め立てられて消失したため、
トビハゼの生息場所が激減してしまったのが大きな原因です。
(※現時点での絶滅危険度は小さいが、
生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種。)
今年も立冬を過ぎ、本格的に寒くなってきました。
観察会で見られたカニもトビハゼも、冬ごもりを始めたようで
ほとんど姿をみかけなくなりました。
(トビハゼは泥の中の穴に潜って冬を越します。)
来年の春、また同じ場所で
多くのトビハゼやカニが見られるのを願っています。
【枯れたヨシ原と干潟】