中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、上信越高原、妙高戸隠連山、中部山岳、白山、伊勢志摩国立公園があります。
30分早めに出勤して事務所の周りを散策して春の気配を感じていたのですが・・
こんなものがあったのか!
雪が解け、白山自然保護官事務所の看板が出てきました。
もうすぐ春なのかなと感じ始めたそのとき!!
【こんな看板が・・・】
ふきのとう発見!
雪が解け、土が見えてきて白峰の景色も白銀の世界から緑色に変わってくるのが実感できました。
【いつのまに】
すると・・・
チョウがひらひらと飛んでいきました。
パッと見ただけでしたので、何か分かりませんでしたが、春を確信しました。
チョウは手取川の方向へ飛んでいきました。
雪が少なくなったとはいえ、まだまだ雪深い集落。
長靴を履き変え、川沿いを歩いてみました。
すると、セッケイカワゲラの飛ぶ姿が・・。
2月に見たときは羽がなくただ歩いていただでした。
この時期になると羽が生え、飛ぶという事をわずか2ヶ月で確認できました。
【セッケイカワゲラ】
【横からセッケイカワゲラ】
事務所から1分くらい歩くと。
冬期は雪に埋もれていた東屋を発見。
【こんな東屋が・・】
こんな所に東屋なんかあったんだ!と感心しながら近づくと・・・?
ホオジロと同じような鳴き声が聞こえました。
東屋の陰からカシラダカがピョコピョコと顔を見せたり隠れたりしていました。
よく群れでいるのを確認しますが、一羽でいました。
きっと雪が解けた辺りで、餌をさがしていたのでしょう。
ここ、暴れ川である手取川は以前の洪水からか、しっかりとブロック護岸されています。
護岸された川にはゴロゴロとした石が転がっています。
【暴れ川の手取川。左に見えるのが白峰の集落です】
辺りを見回すと大きな石の上にカワガラスやミソサザイの姿が確認出来ました。
以前は川さえも雪に覆われ見えなかったのに、暖かさで雪が解け、色々な生き物が川に集まってきたので確認できたのでしょう。
話は変わりますが白峰の伝統や、昔の話を聞く、「ヨサリのジロバタ」というイベントが、しらみね自然学校で開かれていました。
そこでの話の中で、春の到来に関する話がありました。
山で育ってない人が感じる春の到来とは。
それは人に寄って違うとは思いますが、僕の場合は桜の開花や気温、風、におい等で春を感じると思います。
では、白峰で春の到来を感じる瞬間とは。
白峰は豪雪地帯なので、冬場は雪が壁のごとく聳え立ちます。
それが遮音しているためか、道路を走る車の音、川のせせらぎの音が聞こえなくなります。
【そびえ立つ雪!これが白峰です】
それを思い出し、耳を澄ましてみると、事務所の前からも川のせせらぎの音が聞こえます。
今の時期にようやく「音」から春の到来を感じている人も、白峰の集落には多いのかなと感じました。
僕にはこれまで感じたことの無い「春の予感」でした。
しかし、10分も川沿いで観察を続けると手足先が凍るように冷たくなります。
まだまだ末端冷え性の僕の体にとっては春はほど遠いようです。