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信越自然環境事務所

報道発表資料

2024年09月17日
  • 報道発表
  • 結果報告

令和6年度中央アルプスにおけるライチョウの野生復帰事業の実施結果について

 9月11日にプレスリリースを行ったとおり(令和6年度中央アルプスにおけるライチョウの野生復帰事業の実施について)、9月17日に那須どうぶつ王国、市立大町山岳博物館から計10個体を中央アルプスへ移送した。10個体については無事に中央アルプス頂上山荘周辺に設置したケージに収容した。
 保険集団を用いた野生復帰事業は今回が初めての試みになります。
 これらの個体は1週間程度ケージで現地環境に馴化させた後放鳥する予定です。

1.これまでの経緯

経緯については前回プレスリリースを参照してください。
<9月11日発表資料>

2.移送結果

7:28
那須どうぶつ王国から2個体のライチョウを乗せた車が出発
11:00
市立大町山岳博物館から8個体のライチョウを乗せた車が出発
12:32
両園が菅ノ台バスターミナル周辺に到着。
その後、個体をチェックしたところ市立大町山岳博物館からの3個体が死亡していることが確認され、那須2個体と大町山岳博物館の5個体の計7個体について移送を行う事とした。移送個体の死亡については、移動中の温度管理に問題があったものと思われますが、今後詳細な要因の検討を行う予定です。
13:06
環境省車が菅の台バスターミナルを出発
14:09
しらび平駅からライチョウを乗せたロープウェー出発
14:20
千畳敷駅へライチョウを乗せたロープウェー到着
14:35
千畳敷駅から環境省職員がライチョウを背負って運搬開始
15:45
頂上山荘周辺にライチョウを背負った環境省職員到着
15:55
ライチョウを頂上山荘周辺に設置したケージに収容し、作業終了。移送した7個体についてはケージ内で餌を食べている様子などが確認できた。
<今回移送に成功した個体>
保険集団*からの野生復帰及び、人工育雛個体の野生復帰は今回が初めての事業になります。

那須どうぶつ王国
2024年7月14日産まれ 雛2個体(雄1、雌1)
市立大町山岳博物館
2024年7月3~4日産まれ 雛5個体(雄1、雌4)

*平成27年、28年に乗鞍岳から卵で動物園に導入した個体の系統。卵で導入したため親から腸内細菌やアイメリア原虫を引き継いでいなかった。

3.今後の予定

 今回移送した個体は9月23日に放鳥する予定ですが、個体の状況によっては早期に放鳥する可能性もあります。放鳥後の個体のモニタリングについては、10月下旬まで実施する予定です。その他、今年生まれの雛への標識についても10月下旬まで継続します。

4.ライチョウ放鳥日の報道対応について

 放鳥を予定している9月23日については頂上山荘周辺にて現地取材を受け付ける予定です。放鳥の様子について取材を希望する社については以下の連絡先まで9月19日17時までに社名、取材人数、代表者の連絡先を連絡してください。ただし、9月23日を待たずに放鳥となった場合は現地取材を行わず、放鳥の結果のみご連絡いたします。

お問い合わせ先

環境省信越自然環境事務所 野生生物課 小林
TEL:026-231-6573
E-mail:NCO-NAGANO@env.go.jp